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 今日は珍しいことに父は現れなかった。

 毎日現れては枕元に立ち念仏のように謝るうっとおしいあの男。

 代わりに現れたのは見覚えのない、顔の整った人。髪が長いため、男の人にも女の人にも見える。

 全身を白いスーツで決めていて、それがとても似合っていた。


 白いスーツの人は枕元までやってくる。

 起き上がって挨拶の一つでもしたかったのだけど、それはできない。昔はできていたのだけど、ある日を境にできなくなった。


 辛うじて動く首を傾け、その人を見る。

 本当に綺麗な人。もの凄く羨ましい。今の私はその逆で、物凄く醜いから。本当に羨ましくて妬ましい。


 「君が火車(かしゃ)の被害者?」


 不意に響く声。その声は中性的だったけれど、どこか無邪気さを孕んでいた。

 けれど、今はそんなことはどうでもよく白いスーツの人が言った火車という言葉に困惑している。

 すると――


 「知らないのね。だったら教えてあげる。君がそんなになった原因を」


 まるで悪魔のような甘美な声音が耳朶を打つ。

 ベッドの上でしか過ごせない私にその誘いを断る術はない――


 そして。

 白いスーツの人の独白が始まった。


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