46 もう少しだけ素直に
本日はこれにてラストです。
引き続き執筆中です。
少し修正しました。
うとうとしながら書いたので、内容も誤字脱字もすごい。汗)
〜カトレア視点〜
声が、聞こえた気がしました・・・懐かしい声、わたしの希望・・。
(わたしは死んでしまったのでしょうか)
どうにも記憶が曖昧です。
「・・・カト、・・レアさ、ん!!」
声は確かに聞こえる気がするのによく聞こえません。私は声のする方を見ようとしますが、こちらも視界が狭くてよく見えませんでした。
(どうやら、生きてはいるようですね)
ボヤけた視界の中、鉄の扉の格子窓から誰かが覗いています。
「カトレア、さん!!今、いま行く、から!」
やはり、よく見えません。
でも・・・それでも、わかります。わたしが見間違えるはずがありません。
(ああ、わたしの愛しいひと。結局来てしまったのですね)
いえ、嘘を・・・つきました。
本当は信じていました、だから頑張れた・・・。
痛い思いをしても、怖くて叫びだしたくなっても耐えてこられた。
そうでなければ「なんでもするから助けてくれ」と、すべてを差し出してでも命乞いをしていたかもしれません。
いえ、きっとしていたでしょう。
わたしはあの人が思っているほど強くはないのです。
でも信じていた通りちゃんと来てくれました。
さぁ、お出迎えの準備をしなくては・・・。
今日はどんな服を着ていたでしょうか?
レースの襟が可愛いメイド服、それともフレアを効かせたスカートのメイド服だったでしょうか。
でも、わたしは自分の格好を見てガッカリしてしまいました。
(なんて、酷い格好・・・)
服は破られあちこち血塗れで、肌も下着も大きくさらけ出し、濡れた服と髪はべったりと張り付いている。
見ようによっては情事の後にも見えてしまうでしょう。
そしてなにより、先ほどからじんじんとする顔の痛み。自分では確認できませんが、かなり酷い傷跡が残っていると思います。
とてもではありませんが、大好きな人の前に出られる状態ではありません。わたしはこれでも女の子なのです。
(・・・・・・見ないで、・・・)
わたしは叫びました。
(・・・こんなわたしを、見ないで・・・・お願いだから・・入ってこないで!)
わたしは残った力を振り絞って懇願しました。
「ひゅう、ひゅう、んぅっ・・・」
でも、口を噛まされているわたしから出るのは、空気の漏れる音と呻き声だけ。
「うわぁああああああああああっっっ!!!」
しかし、わたしの想いが届いたのか。
大きな叫び声をだしながらあの人はかけて行ってしまいました。
(・・・待って、やっぱり行かないで、わたしも連れて行って・・・)
本当に、わたしは嘘つきです。
もっと素直に慣れれば、きっと今よりもずっと可愛がって貰えるはずなのに。
・・・・・・・。
ガチャカチャ、ガチャンッ。
そのまましばらくすると扉が開きました。
あの人がわたしを見て息を飲んだのがわかります。そして、それ以上は近づいてくる気配がありません。
それはそうですよね。
こんなに醜くなった女を愛してくれる人、いるはずがありません。
こんなに・・・・。
(・・・やだ、・・イヤだ、嫌だ、やだやだやだやだ、・・・・・やだよぉ・・)
もうダメです。
目頭は熱いし、視界はぼやけているし、涙がボロボロと溢れて止まりません。
心が壊れてしまいそうです。
(お願いだから・・・もっといい子にするし、どんな扱いでも文句は言わない、だから・・・だから、わたしを・・・キライにならないでっ!!)
そして子供のように泣きながら許しを請うのです。
そんな風に一人で勝手に悲観にくれているわたしに、この人はやっぱり優しかったのです。
わたし以上に泣き虫なこの人は、わたしをギュッと抱きしめてくれます。そして何度も「ごめんなさい」と繰り返しながら泣いてしまいました。
正直傷口が死ぬほど痛みました。
でも大事にされているのが嬉しくて、そしてまた心地良くて、わたしは大人しくされるがままになってしまいます。
精神的にも身体的にも限界だったわたしは、そこから先は憶えていません。
ただ、自分は間違っていなかったのだと、誇らしい気持ちを胸に意識を手放したのでした。




