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一番の贈り物

作者: ぷにもこ



 遠く離れた場所からでも彼が彼である事がわかる。

 度派手な格好をしてとても綺麗な大人の女性と二人で並んで歩いて来る。

 擦れ違う様、何も思ってもいない様子で彼女と通り過ぎる彼。

 自分だけが確認するかのように振り返った。

 彼は、そのまま彼女と二人で消えた。

 このままクリスマスを二人で過ごすのだろうか・・・。

 考えただけで苦しくて胸が痛くなる。

 目頭が熱くなり涙が頬を濡らしていた。

 そうして初めて彼を好きになっていたことに気付いた。

 気付かなければこんなにも胸が痛むこともなかったのに。

 真っ白い雪が手のひらに舞い落ちて溶けて無くなっていく。

 その様は、まるで涙のようで空を見上げ涙した。

 雪のように僕の想いを溶かして無くして欲しかった。

 無くなるはずがない無くなって欲しい想い。

 こんな気持ちに気付いてもどうしようもない。

 彼の想いを知りながら先に延ばしてばかりでちゃんと自分の気持ちを分からなかったせいだから。

 全てが遅すぎたのだ、と認めざるおえなくて目をつぶった。




 声が聞こえ、幻聴だと首を振る。

 だけど、何度も聞こえ目を開けるとそこには、彼の姿があった。

 思わず近寄り抱き付きついて声を上げて泣いた。

 彼は、そっと耳元で囁く。

 勘違いしないでくれ。好きなのはお前だけだ、と。

 その言葉だけで僕を幸せにする。でも、心に残る彼女との親密さに切なくて。

 思い切って聞いてみたら彼ははにかみながら四角い小さな包みを取り出した。

 中を開けるときらめく雪のように白い小さな石のついた指輪が光った。

 もらってくれるかわからなかったけれどそれでも買わずにいられなかった、と照れた彼の顔を見つめた。

 この人が好きだ。

 どんなことがあっても気持ちは変わらない、と『好きです』、と心のそこからの想いのたけを一言で告げると彼は抱き締めたままはしゃぎながらくるくると眩い光りの中で笑った。




end.




07'3'14




[あとがき]

HPのクリスマス拍手用で書いてたやつです(笑)


たいしたものでは、ありませんがお気に召したら幸いです。






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