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魔法少女は僕のエクスカリバーを求めない。  作者: 大岸 みのる
第一章:僕の股間は聖剣のようです。
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・告白されたと思ったら……のようです。

「好きです! 付き合ってください!」


 豪華な宝飾が施された武器、その刃に夕焼けが反射し、茜色の光を放っている。彼女は日本刀よりも一回り大きい剣の柄を握り、まるで獲物を狩るような目つきで僕に向けて言った。

 いや、普通にあり得ない。

 夕焼け。剣を構えながら、屋上で告白。

 シチュエーションとしては変でしかない。いや、異常だ。

 この場合、僕が彼女からの告白を断ったら、すぐに剣で切り刻まれるだろう。そんなのを予測するのは極めて簡単だ。

 僕は答える。


「それは――――」

「付き合うのが無理と言った場合。私はあなたに、コレを返すつもりはないわよ」

「だ、だけどなー。それは僕の所有物でしょ!?」

「所有物だろうがなんだろうが、首を縦に振るまでは、あなたにエクスカリバーを返すわけにはいかないの! だから、お願い」

「無理なものは無理だ!」

「……どうしても……ダメ?」

「当たり前だ! 僕が……あなたと付き合ったら、大問題だ。あなたの力が……」

「わかってるわ。覚悟はしている。いかなる力を失おうとも、私はあなたの事が好きなの」


 震え始める両手。エクスカリバーを使用すれば、彼女の力がなくなってしまう。それは、あまりにも強大過ぎる力を使って生じるものなのだ。

 デッドオアライブな告白に、緊張して渇ききった口を開いた。


「……わかった。なら、僕はあなたと付き合う」


 返事をしっかりと出した。

 だけど、答えを口にした時。僕の胸を何かが貫いた。

 溢れる血液。剣や槍などといった近距離系武器の類ではない。背後には誰もいなかった事を考慮すると、僕を殺った道具は拳銃。

 振り返りながら、床に落ちる僕の身体。背後には、何もいない。

 僕の身体から、鮮血と一緒に金色の弾が零れ落ちる。この魔法科高校には、拳銃なんてなかった筈だ。

 そんな事を考えていたら、僕の心臓は鼓動を刻むのを止めた。

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