妹、プレゼントします!
※警告※
実際はこんな手紙が届いたり、妹がプレゼントされたりなどという事は起きません。
「妹、プレゼントします!」は節度、常識を守ってご愛読下さい。
「妹が欲しい」
常日頃からそう思っている俺の元に嬉しい手紙が届いた。
「妹、プレゼントします」
その手紙にはそう書かれていた。裏面には日時、会場の場所、注意事項などが書かれていた。
そして、当日、俺は慣れないタキシード姿でプレゼントの会場に向かっていった。電車内でも、俺の仲間と思われる人物が十数人程乗っていた。もっとも、その中には俺を含めていわゆる
「アキバ系」
といった感じの人物は一人もいなかった。まあ、主催者側が選んで手紙を出しているだけだろう。
そして、会場に着いた。会場には俺の仲間と思われる人々が百人程集まっていた。俺は受付で手続きを終えて待合室に入った。
待合室は一面がガラス張りで室内が丸見えになっていた。
そして、しばらく経つとガラス張りの壁の向こう側に小さい女の子から高校生位の女の子までの女の子達が現れた。人数は、だいたい兄候補と同じ位である。そして、女の子達がこちらを次々と指差してきた。やはり、どの人が兄になったら嬉しいかどうかという話でもしているのだろうか。
それから5分位経った…
一人の係員が待合室に入ってきた。そして、係員は次々と妹候補を連れてきた。
「可愛いな…」
と思いながら見ていると、一人の小学5年生位の女の子が俺に向かってこう言った。
「このお兄ちゃん俺の物〜♪」
ラッキー♪こんな可愛い女の子に選ばれるなんて…って『選ばれる』?。俺は疑問を感じていたが、次の一言で全ての謎が解けた。「じゃあ、お兄ちゃん♪俺の家に行こう、お兄ちゃんは俺の物なんだから♪」
なんのことはない。
この企画の正式名称は
「お兄ちゃんプレゼントします!」
だった。
しかし、俺は後悔はしていない。俺の妹は、世界に名を轟かせる大会社の副社長の娘だった。今では、俺は妹のガードマン兼お兄ちゃん。俺は数奇な巡り合いをした妹を永久に守っていこうと思った。