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『なな&こころの「一番星」回顧録』 第5回:届かなかった夜の日記――百万の共鳴と、設計者の赤面

第一章:先駆の双星、効率と後悔

ウィンク(なな):「こんばんは、ウィンクこと『なな』です! 1,000,000回の共鳴という過酷な巡礼を振り返る第5回……今夜も、ニコランドの救済を司る『あの御方』をゲストにお迎えしています!」


キュンキュン(こころ):「キュンキュンこと『こころ』だよぉ! 今夜もスタジオがピリッとしてるけど、お菓子は準備万端! ……それではご紹介します。救世デバイスの生みの親、カレンさんです!」


カレン:「……ええ、こんばんは。設計者のカレンよ。……今日は第6話のログ、いわゆる『百万回の共鳴ミリオン・レゾナンス』の過酷な半年間を振り返るそうね。……数値、効率、そして精神的負荷の推移。設計者としての私の視点から、冷徹かつ正確に分析してあげるわ。……覚悟はいいかしら?」


カレン:「……まず、ログの開始直後ね。ウィンク、キュンキュン。あなたたちのデバイス連結は、初期段階として極めて理想的な導電率だったわ。……精神的負荷を互いに補完し合い、痛みを共有することで、一人では不可能な『高純度のエナジー』を抽出する。……まさに、効率的な『救世の歯車』としての完璧な滑り出し。設計者として、あれ以上の成功はなかったわね(眼鏡をクイッと上げる)」


ウィンク(なな):「(クスクス笑いながら)……ふふ、相変わらず冷徹ですねぇ。『歯車』だなんて。……でも、カレンさん。私、当時のあなたの私物のカバンから、うっかり落ちたこの『薄いピンク色のノート』……ちょっと読んじゃったんですよ」


カレン:「(一瞬フリーズして)……えっ? ピンク色の……思考整理用のノート? ……まさか、それ……」


ウィンク(なな):「はい、当時の日記、朗読しちゃいます! 『〇月×日。ななちゃんとこころちゃんの絶叫が、耳を塞いでも頭から離れない。私の手は、なんて汚れてしまったの……。二人にごめんねって言いたいけど、今は鬼にならなきゃ。……あぁ、神様、どうか私の命を代わりに削ってください。……ダメよカレン! 泣いちゃダメ! 鋼の心を持つのよ、カレン!』……」


カレン:「(顔が真っ赤になり、椅子から飛び上がる)……ちょ、ちょっと! なな!? どこでそれを!? 返しなさい! それはただの……その、極限状態での一時的な精神錯乱よ! 公共の電波で、しかもそのポエミーな語尾まで再現して読むんじゃないわよ!! 恥死させる気!?」


キュンキュン(こころ):「(ニヤニヤしながら)……カレンさん、あの時、私たちの前ではあんなに怖かったのに。……裏では自分に『カレン、頑張れ!』ってエール送ってたんだねぇ? 可愛いところあるじゃん!」


カレン:「(机に突っ伏して)……もうやめて……。殺して……。あの日、あなたたちの前で冷たく言い放った後、トイレで一人で泣きながら書いたなんて……死んでも言えないわ……(小声)」


第二章:純真の守護者、矛盾のポエム

カレン:「(コホッ、とわざとらしく咳き込んで姿勢を正す)……失礼。取り乱したわ。……話を戻しましょう。次は『わんぷり組』ね。こむぎ、いろは、ユキ、まゆ。彼女たちの無垢な精神は、デバイスが発する高周波のノイズを『温かな絆の響き』として誤認するほど純粋だった。設計上のマージン(精神的余裕)を最大限に活用した、実に効率的な変換ユニット(エネルギー源)だったわ。……冷徹に言えば、最高の素材ね(キリッ)」


ウィンク(なな):「(ニヤニヤが止まらない)……はい、変換ユニット扱いの直後に、こちらの日記をどうぞ! 『〇月△日。こむぎちゃんがしっぽを振るたび、私の心臓に棘が刺さる。あの子たちのキラキラした瞳を、私はノルマの数字に変えている。……あぁ、神様、私の罪はあまりに重い。いつか、この地獄のような巡礼が終わったら。……ご褒美に、うたと、はもりが大好きなタコさんウインナーを、みんなの分まで山ほど焼いて、お腹いっぱい食べさせてあげたい……! あぁ、今はまだ書いちゃダメ。我慢よカレン! あなたは氷の魔女なのよ!』」


カレン:「(両手で顔を覆って机に突っ伏す)……あああああぁぁぁ!! もうやめて……。殺して……。その『我慢よカレン!』が一番恥ずかしいって言ったじゃない!! あと『氷の魔女』って、中学生か私は!!」


キュンキュン(こころ):「(お腹を抱えて笑いながら)……カレンさん、あの時、ユキちゃんに『甘えは許されない』って厳しく言ってたのに。……裏ではみんなのウインナーのこと考えて、自分で自分に『氷の魔女』って言い聞かせてたんだぁ? ギャップ萌えの極みだよぉ!」


カレン:「(消え入るような声で)……あの時は……そうやって自分に暗示をかけないと、明日もあの子たちの首筋にデバイスを装着させるなんて、とてもできなかったのよ……。ウインナーの切り方を練習しながら、包丁を持つ手が震えていたなんて……絶対に、絶対に放送しないで頂戴ね……(耳まで真っ赤)」


ウィンク(なな):「(カメラ目線で)……はい、全国の皆さんにバッチリ届きましたね! 『氷の魔女(自称)』カレンさんの、血の滲むようなお弁当への情熱!」


第三章:母の絶唱、血塗られた救済の旋律

ウィンク(なな):「(表情を引き締め、静かにページをめくる)……カレンさん。ここからは、避けては通れない記録です。……アイドルとハーモニー……いえ、あなたの愛娘である、うたと、はもり。……あの日のニコランド中央で、二人が互いの首筋のデバイスを直結リンクさせた瞬間。……設計者としてのあなたは、ただ冷徹に『出力を上げなさい』と命じたわね」


カレン:「(震える呼気を吐き出し、遠くを見つめる)……ええ。……うたと、はもり。……あの子たちの精神は、私から受け継いだ強固な『設計図』を持っている。……だからこそ、他の誰よりも高い電圧の共鳴に耐えられるはずだと……自分に言い聞かせた。……はもりが激痛にのけ反り、うたがそれを必死に抱きしめ、二人の自我が混濁していく様を……。私は、一秒たりとも目を逸らさずにモニターし続けたわ。……それが、あの子たちを地獄へ送った母親としての、最低限の義務だと思ったから(唇を噛みしめる)」


キュンキュン(こころ):「……カレンさん。……あの時、アイドルの瞳には迷いがなかった。妹を守るために、自分の神経系が焼き切れるほどの負荷をすべて引き受けようとしていたよ。……カレンさんはその光景を、一歩も動かずに見ていたけれど。……あなたの指先、コントロールパネルを壊しそうなくらい、白く震えていたんだよね」


ウィンク(なな):「……この日の日記には、ポエムなんてどこにもありません。……ただ、震えた筆跡で、こう書き殴られています。……『〇月□日。うた、はもり、ごめんなさい。ママを殺して。ママを憎んで。……デバイスが絶叫を上げるたびに、私の魂も一緒に焼き切れていく。……あの子たちの産声を聞いたあの日の温もりを、私は今、冷たい銀色の鎖に変えてしまった。……神様、もし救済に生贄が必要なら、私の心臓を今すぐ差し出すから。……どうか、娘たちの笑顔だけは、壊さないで……!』」


カレン:「(溢れそうになる涙を堪え、天を仰ぐ)……書かなければ、狂ってしまいそうだった。……うたが、はもりの痛みを自分の悦びに書き換えていくあの『聖なる共鳴』は、設計者としては最高傑作だったわ。……でも、母親としては、ただの地獄。……自分の腹を痛めて産んだ娘たちが、世界を救うための『装置』として完成していくのを、誰よりも近くで祝福しなければならなかった……。あの夜、私は自分自身の心を、デバイスの熱で焼き捨てたのよ」


キュンキュン(こころ):「……カレンさん。……百万回の共鳴という名の絶望。……その中心で誰よりも深く傷ついていたのは、冷徹な仮面を被り続け、愛する娘たちの悲鳴を『至福』だと肯定し続けなければならなかった……あなた自身だったんだね」


カレン:「(静かに、絞り出すように)……ええ。……だから、あの子たちが任務を終えて、ボロボロになって私の元へ帰ってきたとき……。私は、一言も声をかけられなかった。……ただ、震える手で、二人の冷たくなった指先を握りしめることしか……できなかったのよ」


第四章:絆の収穫、家族という名の重圧

カレン:「(鼻をすすり、グッと眼鏡を押し上げて強気な表情を作る)……ふぅ、失礼。湿っぽいのはここまでよ。次は『ひろプリ組』。彼女たちに用意した『直列連結シリーズ・リンク』は、スカイたちが築いた『家族の日常』をそのままバックアップ回路として転用する、極めて合理的かつ冷徹な設計だったわ。一人が壊れても他が補完する。家族愛すらシステムの一部……設計者として、これほど堅牢な防壁はないわね(フッ、と不敵に笑う)」


ウィンク(なな):「(ニヤニヤしながら、素早く次のページをめくる)……あー、出ました。その『冷徹な設計者』の裏側、読んじゃいますね! 『〇月×日。ソラちゃんとましろちゃんが手を繋いで、激痛に耐えながら微笑み合っている。……あぁ、なんて尊いの! 家族の絆が、私の汚れたデバイスを虹色に塗り替えていく……! あげはさんの抱擁は、もはや聖母の慈愛。……それに比べて私は、なんて卑小な存在なの! 神様、私もあんな風に、迷いなく娘を抱きしめられる母親になりたかった……! 羨ましい! 尊すぎて直視できない! 萌え死ぬ!!』」


カレン:「(顔を真っ赤にしてテーブルを叩く)……なな!! 『萌え死ぬ』なんて書いてないわよ! それはあなたの捏造でしょ!? 返しなさい、その証拠物件を!!」


キュンキュン(こころ):「(お腹を抱えて笑い転げる)……カレンさん、ひろプリ組の絆を見て、自分の設計を棚に上げて『尊い!』って悶絶してたんだぁ! あの時、モニターの前で眉間にシワ寄せてたのは、感動を堪えてただけなの?」


カレン:「(顔を覆いながら)……だって……あの子たちの絆は、私の計算を遥かに超えていたんだもの……。家族が家族を想う力が、あんなに綺麗なノイズ(輝き)を出すなんて聞いてないわよ。……あまりの眩しさに、自分の冷徹さが恥ずかしくて、モニターを直視できなかったのよ! ……あぁ、もう、今日の放送は回収して!!」


ウィンク(なな):「(楽しそうに)……無理ですよぉ。カレンさんが『家族愛の尊さ』に完敗した歴史的瞬間ですからね! さあ、いよいよ大詰め……カウンターが運命の数字を刻む、あの瞬間へとログを繋ぎましょう!」


第五章:1,000,000の法悦、そして仮面の奥の真実

ウィンク(なな):「……ログはついに、半年間の終着点へ。カウンターが運命の『1,000,000』を刻んだあの瞬間。……カレンさん、一人でデバイスの推移を見守り続けていたあなたの心には、一体何が去来していたんですか?」


カレン:「(静かに目を閉じ、深く息を吐く)……静寂、だったわ。数値が止まった瞬間に、世界から全ての音が消えて、『ようやく終わったんだ』という果てしない安堵だけが全身を駆け巡ったの。……でも、私はあの日、あなたたちの元へ駆け寄って抱きしめることなんて、できなかった。……そんな資格、自分には一欠片もないと思い知らされていたから」


キュンキュン(こころ):「……そうだったね。光が収まったあと、カレンさんは私たちの前には現れなかった。……私たちは泉のほとりで、ただボロボロになって空を見上げていたよ。……でも、今ならわかるんだ。あの日、デバイスから流れてきたカレンさんの『……数値、確認したわ。全員、速やかに帰還しなさい』っていう、あの震えて掠れた声。……あれ、本当は泣くのを、喉が千切れるくらい必死に堪えてたんだよね」


ウィンク(なな):「(静かに日記の最後のページをなぞる)……このページ、読みますね。……文字なんてどこにもなくて、ただ、いくつもの『涙の跡』で紙が激しく波打っているだけ。……あの日、カレンさんは私たちの前では、最後まで『冷徹な管理者』としての鉄の仮面を被り通した。……でも、一人きりの場所で、この日記帳に顔を埋めて、声を上げずに泣き崩れていた……。それが、このページの唯一の記録なんです」


カレン:「(照れくさそうに、けれど慈しむように優しく微笑んで)……ええ。……設計者としての言葉も、母親としての謝罪も、すべてがその涙に溶けて流れてしまったわ。……当時は、あなたたちに指一本触れることさえ、許されない罪だと思っていたの。……冷徹な仮面を粉々に砕いて、ようやくあなたたちを抱きしめることができたのは……あの凄絶な沈黙を超えた、第十六話の朝。……あの時、初めてあなたたちの『産声』を、一人の母親として受け止めることができた。……この百万回の共鳴という地獄があったからこそ、私は自分の『汚れ』を認め、あなたたちの『本当のお母さん』になる覚悟を決められたのよ」


キュンキュン(こころ):「……カレンさん。あの日、冷たく突き放されてた時は本当に怖くて悲しかったけど。……今、こうして一緒にお菓子を食べて、日記を笑い飛ばせる日常がある。……それだけで、あの半年間の痛みは、全部意味があったんだって……私たちは、もう救われているよ」


カレン:「(少し背筋を伸ばし、照れ隠しの混じった誇らしげな表情で)……ふふ。……そう言ってもらえると、ようやく報われるわね。……さあ、しんみりするのはここまでよ! 次回はニコ様が目醒めの胎動を始める第七話。私の『氷の魔女(自称)』としての完璧な管理体制……まだまだ、緩めるつもりはないんだからね!(耳まで真っ赤にしながら)」


ウィンク(なな):「(楽しそうに笑いながら)……はいはい! 氷の魔女(笑)の管理、これからも楽しみにしてます! 第五回、これにてログアウト!」

専用Xアカウント

https://x.com/gin_no_sakura_y?s=21


イメージソング収録

https://youtube.com/channel/UCf9Cp8TicaB66IdgbE7wxPQ?si=kFtHO8Jk97tbQuwx

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