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第50話:グラン・ステイラルが生み出す覇権戦争

第50話:グラン・ステイラルが生み出す覇権戦争

蒼空司令代理が仲間と共に献杯を捧げながらも宙域コントロールをしていた。ただ蒼空の中には辛く、受け止めがたい事実があった。

幼なじみの古い付き合いの大切な戦闘機パイロットが撃墜された。でも私は司令代理、彼を優先して撤退や身勝手な方向指示などできるわけが無い。それをしたら全ての仲間の裏切りとなる。

彼と共に撮ったツーショットの写真を眺める。夢の国のようなお城がライトで照らされた夜景だ。今の恋愛関係に近い山本参謀長とは違う意味で、安らぎを得ていた相手だった。

「全く、お前というやつは……私が……私がどれだけ……寂しい思いを……」

涙の防波堤が決壊し、椅子の上で泣き崩れてしまう。

リケジョと呼ばれ、嫌われてきた私を彼は「賢いじゃん!すげぇよ!」と何度も褒めてくれた。なんで彼みたいな優しい人間が死ななきゃいけないんだ……

そんな時だった、1人のオペレーターが慎重に声をかける。

「蒼空司令……あの……ここから宇宙共通方位120°にある恒星から凄い重力反応があるのですが……民間船に警告入れますか?」

私は涙を軍服で擦り、答える。

「あぁ。頼む……ん?その星……」

「どうかされましたか?」

オペレーターの困惑の表情に流される事なく、指示を出す。

「星のデータを出してくれ」

オペレーターは戸惑いながらも高分析レーダーによる解析データを出す。

「対消滅を常に起こしながら、恒星として輝き続ける……同時に様々な素粒子が確認……」

私は最悪の事態を想定し、レティシアお姉ちゃんに通信を繋げる。

「お姉ちゃん、今から送る星のデータに関する意見をちょうだい!」

ピピッとデータを送り、お姉ちゃんから帰ってきた回答は想定通りだった。

特別な素粒子、通称グラン・ステイラルが眠っているとされる星という情報だった。

「まずい……まずいぞ……恒星監視オペレーターに通達!コード25A5恒星をレベル5で警戒してくれ!」

オペレーターが戸惑いながらも状況説明を求めてくる。ここに居るオペレーターは同期が大半で共にクーデター時に大学の電子システムを停止させた仲間だ。話すしかない。

「全ての素粒子に変異可能な素粒子グラン・ステイラルが眠っている。四大列強が見過ごすはずが無い!周辺2000宇宙距離に無許可で入った艦や航空機がいたら、超長距離航空宇宙兵器迎撃ミサイルシステムを起動させろ!」

私のあまりの剣幕に皆が驚いていた。しまった……状況を厳しく見すぎた……

「とりあえずレベル5で監視。不法侵入勢力は速やかに撃破してくれ」

「了解しました!」

オペレーター達が作業にかかると同時に私はクーデター時のハッキングしたデータを思い出す。

大日本聖国は仮説として、グラン・ステイラルの存在を提唱し、大学内で一部の教官とエリート学生が研究していた。

もし、そうなら石崎司令長官のお父様の艦隊にスパイが居ても不思議では無い。何故ならこんな素粒子が生まれる場所なんて限られている。だが、内部を疑い出すとキリがないのも事実。司令長官に報告すべきか悩んでいた時だった。

「蒼空司令!25A5周辺に超長距離ワープの痕跡を残した複数の艦船を確認!」

「敵味方識別装置の反応は!?」

「アンノウン(正体不明)です!恐らく敵味方識別装置どころが航法装置すら付けてない、完全な正体をステルス化してる艦隊です!」

こんな危険なことをする連中は山ほどいるが、実行するまたは実行出来る戦力は限られる。下手に宙域を通れば速やかに撃墜される。

「こちらに通信に応答は?」

「ありません。ただ発光信号は使ってるようで高輝度反応はありました」

「……希望の星第1防衛ミサイル部隊に緊急配備命令……それとセルヴァート教授と石崎司令長官に緊急連絡だ……」

私の予想が正しければこの勢力は間違いなく、平行世界に興味を持つ連中だ。何故そんな確信があるのか。父と離れる前に見た父の論文に、平行世界線論文に多次元重力を用いた平行世界線コントロール理論を提唱したからだ。

発令から数分後には先にセルヴァート教授から連絡が来た。

「敵を速やかに撃滅せよ」

私は司令代理として、ミサイル部隊に下命を下した。この命令は独断専行であると同時に司令長官が私を信頼して与えてくれた権限。ミスは許されず、覇権戦争の始まりはもう目の前だと確信した。

第1巻終

こんばんは!黒井冥斗です!第1巻終了までお付き合い頂きありがとうございます!本当に感謝してます!

実は自分でも今日まさか第1巻が終わるとは……と書いておいて、推敲もしていたのに異世界作品の方での作業の疲労で忘れておりました…なので、なので!このまま10分後にエピローグも投稿します!第1巻の最終お礼はその時に述べさせて頂きます。でもここまで本当にありがとうございました!

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