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第48話:電撃戦敢行

第48話:電撃戦敢行

月乃三笠は単艦で敵の索敵圏外に抜けて、ワープする準備を整えながら、久しぶりにこの艦での戦闘に私は少しワクワクしていた。

この指示を出したのも私剣示元帥とレティシア中将の協議によるものだった。

「そうか、欺瞞は成功したか。後は大人の大人げない電撃奇襲作戦だな」

「剣示、コーヒーは飲み切っておけ。ワープ中にこぼれるぞ」

「そうだな、レティシアも紅茶飲み終われよ」

2人のささやかな会話が緊張の面持ちの戦場を少し柔らかくしてくれる。

そんな時だった、ワープアラートが鳴り響き、一気飲みをして2人とも席に掴まる。

ギュイイーーンと耳鳴りするのがやはり、慣れない。

このワープ奇襲作戦の為に常にエンジンはフル回転では無いが、ロー回転でもない70%維持しつつ、超長距離ワープを実施した。

空間に穴が空くと同時にワープ空間の鉄くずなどが同時に吐き出され、敵旗艦が気がつく。

そして私は砲術長に司令を出す。

「六門の50口径80cm3連装砲を三基お見舞いしてやれ!」

「待ってました!砲門前部、実弾装填。弾頭特殊徹甲弾!……ってぇ!」

ドンッ!ドンッ!ドンッ!と宇宙線すら防ぐ強固な船体にも響き渡るくらいの砲声が鳴り響く。私もそれを映像で確認していた。

その頃エースフレイム旗艦セルドーラでは……

「何故そこで現れた!?」

エルトライ傭兵長官は驚きを隠せなかった。

「レーダー要員!何をしていた!?」

「推測ですが超長距離ワープかと……敵の砲撃を確認!9発の80cm特殊徹甲弾かと思われます!」

長官は素早く答えた。

「多層重力防御壁展開!攻撃を防ぎ切ろ!!」

多層重力防御壁展開中は攻撃ができないが並大抵の攻撃では完徹は不可能。超長距離ワープ直後向こうでは抜くことは出来ないだろう。

「月乃三笠、副砲も対空機関砲も激しく撃ってきます!多層重力防御壁損耗率5%!」

「問題ない!打撃艦隊で月乃三笠を沈めろと指示を!」

「了解しました!」

さて、どう出る月乃三笠……大日本聖国の護国艦と呼ばれた実力を見せてもらうぞ……

その頃僕達白桜級率いる学生艦隊は敵の打撃艦隊が一斉に背を向けるのを確認する。

だが後方の主砲も遠慮なく撃ってくるが、僕達は回避したり、白桜級は原子断縮シールドを人工的に生成し、防ぐ。

だが雪室艦長から提言が出される。

「石崎君!原子断縮シールドも長くは持たないわ。早急に手立てを考えて。もう今のあなたなら前みたいなミスを犯さないはずよ」

僕は戦法を考える。敵艦は後方を向けたといえ、砲門は未だに健在……そんな時にレーダー画面に目を移すと味方艦がかなり白桜級のこの艦に集まっていた。

「全艦!回頭90°!その後全砲門オールファイア!それまでは原子断縮シールドを艦隊全域に展開!仲間はこれ以上死なせる訳にはいかない!!」

「機関長了解っ!長官のご命令遂行してみせますよ!」

薄い青いレースカーテンのような膜が艦隊全体に張り巡らされるまで1分もかからなかった。そして砲術長から言われたタイムリミットは1分半。全艦が全力で回頭し、砲門やミサイル、魚雷。対抗電子システムなどありったけの兵器を打撃艦隊3個に向ける。

間に合え……間に合え……僕はそう願った瞬間だった。雪室が叫ぶ。

「石崎君!今よ!」

「ピースオブフリート、最大攻撃!手加減はなしだ!!」

ピィィィーンンキィィィン!!!

という多次元超重力砲3連装砲三基と世界線壁エネルギー砲前部圧縮型92cm主砲3連装5基……そして仲間達の無数の砲撃が打撃艦隊を背中から吹き飛ばす。

激しい爆発と眩しい閃光で一時的に前が見えないが、再び雪室が叫ぶ。

「石崎君ごめん!私の砲門指示ミスで月乃三笠の機関部スレスレに多次元超重力砲が命中したわ……向こうからは航行や攻撃は可能だけどリスクが大きすぎるとのこと!」

「大丈夫だ!お父さん達を信じよう!」

その頃月乃三笠では……

「全く息子は撃つのが下手になったな……だが部下が叱責するのも忍びないが帰ったらお説教だな。レティシア、機関部の状況は?」

レティシアは端末を見ながら、艦内データと照らし合わせる。

「動かすことは出来るが機関の熱エネルギーや重力偏向壁で爆破や大破の可能性が捨てきれない」

「分かった……砲術部へ、次弾装填急げ!先程と同じ砲弾だ!」

発射薬室に砲弾が装填された時だった……砲術部長から信じられない言葉が来る。

「発射時に必要な電力が足りません!!」

「チッ、ここまで追い込まれたのは久しぶりだな……」

自分の戦略眼が鈍ったような気がして、些か歯がゆい気持ちになる。

敵の旗艦セルドーラがこちらの不具合に気がついたようだ。ここまでか……

絶体絶命の時に、無線からやかましい声が聞こえる。

「レティシアさん生きてますか!?神矢です!元大日本聖国のアグレッサー部隊(仮想敵部隊)の隊長と従兄弟の鷲川も一緒だ!今からセルドーラを爆散させて見せるから見ててください!」

その頃セルドーラでは……

「月乃三笠の運も尽きたようだな。主砲で楽にしてやれ」

砲塔がゆっくりと旋回し月乃三笠の正面に、照準を合わせる。

そして多層重力防御壁を解除した瞬間だった。

警報が鳴り響き、有り得ない現実……と言うより見たくない現実だった……

「ジークファイター24機!敵機直上急降下!」

「防空兵器は!?」

「角度が合いません!VLS(垂直発射装置)でミサイル迎撃を図ります!」

だが、それすらも遅かった。VLSには既にミサイルが撃ち込まれて爆散し、誘爆し、既に小破の域を超えていた。

次々とミサイルが撃ち込まれ、爆破、騒音、叫び声、警報音。

統合作戦司令室にも響く音だ。地獄が近づいてくる。

「我が生涯もここまでか……」

「ダメージコントロール……不能……エルトライ傭兵長官に敬礼!」

そう言ってくれたのは今までこの傭兵艦隊との契約の橋渡しをしてくれた親友だった。

「ありがとう友よ、そして仲間よ……我らエースフレイムの歴史はここで潰えるが、諸君と我々の存在があった事は電子的に記録され、永久に残されるであろう!さぁ、地獄でも傭兵やるぞ!」

「「「おぉ!!!」」」

セルドーラは最後の2トン爆弾が機関部を直撃し、後方が膨れ上がった瞬間に連鎖的に爆発し、消滅した。

残ったエースフレイムの戦力は1隻の空母と数隻の駆逐艦と巡洋艦のみ。立て直しは不可能だった。彼らは最後まで戦おうとしたがエルトライ傭兵長官が予め仕組んだのか、録音無線が残存艦に鳴り響く。

「この無線が流れているということはセルドーラが沈んだのだろう。生き残った諸君らは伝説を語り継げ。なんとしても生きて、生きて、エースフレイムの原初の火を消すな」

それを聞いた船員達は即座にワープで現宙域を離脱し、涙ながら多くの仲間の死に悲しみを抱いた。

こんばんは!黒井冥斗です!1週間お疲れ様でした!そしてそんなお疲れの中でこの作品を手に取って下さったこと感謝します!

今日のこの投稿は予約投稿で宇宙戦艦ヤマトを観に行く直前での予約投稿になります。なので挨拶はこれくらいにさせていただきます。

それでは、皆様良い週末を!

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