第45話:奇襲攻撃と電撃戦計画
第45話:奇襲攻撃と電撃戦計画
フィシュテルの航空宇宙管制室は退屈だ。広々とした空間に巨大なモニターが幾つもあり、オペレーター達が周辺宙域を航行する民間船に、注意を呼びかけたり、逆に迷惑にならないように訓練をしている部隊にも指示を送る。それを見守るのが蒼空雷司令代理だ。電子戦ならこの四大列強に当初学生達で立ち向かおうとしたイカれ不良あるいは、自由を望む学生達の中では負ける自信はない。
「蒼空司令、石崎長官から報告です。エースフレイム傭兵艦隊が接近している可能性があると……」
オペレーターの1人の報告により、私は指示を下す。
「各オペレーター、民間船へ注意を呼びかけろ。我々はテロリストではなく、あくまでも平和と自由を望んでいる。民間人の犠牲などはあってはならない」
「「「はっ!」」」
オペレーター達は次々と無線コントロールを始めてると管制室の扉が開き、お姉ちゃんのレティシアと石崎長官が顔を出す。
「雷ちゃん、よくやってるわね」
「うん!お姉ちゃんの為なら私頑張るから!」
長官の前だと忘れてしまい、思わず本音が漏れてしまう。
「し、失敬。石崎長官、エースフレイムの件ですが……」
「こちらではもうすぐ作戦会議が始まる。君にも参加して欲しいが……なにぶんここを君に空けられると困る。レティシア中将を君の代理で参加させたい。構わないか?」
私は少し、思案を巡らし、レティシアお姉ちゃんに耳打ち伝える。
何を伝えたのだろうか?僕は耳打ちの時間からして、作戦支援のような感じがした。
「分かったわ。会議の場でしっかり伝えるから安心して。雷も無理しちゃだめよ?」
「うん!分かった!お姉ち……承知しました、お姉様」
僕はこの希望の星の最高責任者として伝えておこうと思い、口を開く。
「蒼空司令代理、お姉ちゃん呼びで構わないよ」
「長官、私はお姉ちゃんの前にだけ甘えたいのです。ずっと離れ離れでしたから……」
またお姉ちゃん呼びしてる事に彼女は気がついていない様なのでスルーすることした。
そのまま作戦会議に向かおうとした時だった、オペレーターの誰かが緊急襲撃警報を鳴らし、ピーン!ピーン!というけたたましい警報音が鳴り響く。
真っ先に反応したのは蒼空司令代理だった。
「オペレーター!報告を!」
「宇宙共通方位0°エリアD0A15(デルタゼロアルファフィフティーン)、距離9800宇宙距離に識別記号エースフレイム傭兵艦隊の接敵を確認!」
「SEJSによるファイナルジャッジを実施!この星が射程圏内に入るのは何分後だ!?」
オペレーターがエースフレイム傭兵艦隊の船や武装を特殊なレーダー波で分析し、判断を下す。この間僅か30秒。
「SEJSによるジャッジはエースフレイムで間違いありません!また敵は長距離狙撃主砲を装備!拡散重力砲です!これが射程圏内に入るのはワープ性能的に最短で、40分から1時間と思われます!」
僕は蒼空司令代理もレティシアも 中将も言う前に判断を下した。
「会議の余裕はない。即座に全戦力で迎え撃つ。レティシア中将、構わないな?」
「えぇ、大丈夫よ。あなたの元お父さんの剣示にも伝えてくるわ」
「ありがとう」
すると、蒼空司令代理がレティシアの手を掴む。
「絶対に生きて帰ってきてね?」
「あなたみたいな可愛い妹を置いて先にヴァルハラ(ドイツ語で死後の世界)に行くものですか、必ず帰ってくるから、待っててね」
「うん!」
2人が去ると私は司令代理モードに入る。
「各オペレーターに通達!戦闘機1機すら見逃すな!また、防御や邪魔になりそうな小惑星があれば逐一報告!我々の仲間を死なせるな!」
「「「了解!」」」
再び、各所から無線が飛び交い、私はコーヒーを飲みながら、各宇宙戦艦のスペースイグニッションシステムの稼働状況を把握し、優先度の高い船から始動電力供給ラインを調整する。レティシアお姉ちゃんは絶対に死なせない。もう、離れ離れになってたまるか。
その頃月乃三笠ではレティシアと長官の元父親石崎剣示元帥が元帥室で話し合っていた。
「お前のことだ、策は読めていたのだろう?」
元彼女のレティシアの視線は今の私には痛いものだった。
「すまん、寝耳に水だった。だが神矢大佐率いるジークファイター戦闘機隊の時空潜航技術次第では後方で確認されている機動空母艦隊はどうにかなる。我々は指揮艦隊を強襲する」
「つまり?」
「敵中央にワープ電撃強襲だ」
その発言聞いたレティシア中将は「中々面白そうだ」と言い、紅茶を少し飲む。
「相変わらず君は紅茶が好きだね」
「祖先がイギリスだったからその影響だろう。剣示こそ緑茶は飲まないのか?」
「抹茶アイスは好きだぞ」
しばらくの静寂の末に2人で笑い合い、共に学生時代の合言葉を唱える。
「「さぁ、約束された勝利の作戦へ!」」
こんばんは!黒井冥斗です!いつも作品をお手に取ってくださり、ありがとうございます!
さて、黒井は先日フィギュア用の衣服作りに事実上失敗しましたが祖母に相談したら昔ながらの知恵と道具で単純化された型紙を作ってもらい、この通りにできなかったら黒井の理想とするフィギュア用の軍服は諦めなさいと言われました。なので今晩はそれを作ってみてどうなるかですね。
皆様も難しい趣味に挑戦する際は情報収集と念入りな準備を!それでは、いい夜を!




