第35話:最強の航空宇宙艦隊
第35話:最強の航空宇宙艦隊
「シリウス艦隊!全艦主砲を宇宙共通方位東へ向け、荷電粒子砲発射!」
白いまるで雪で出来た柱のようなビームが標的としている小惑星帯に命中する。
シリウス艦隊司令長官の私は四大列強最強の艦隊の攻撃を眺めながら、コーラを飲み下し、書類をチラ見していた。
「覇権戦争前夜か……」
すると秘書司令官のかつての同期が声をかける。
「物騒な時代になりましたね」
「卿(けい:男性が目下の同僚や後輩に使う軽い敬意を込めた二人称)もそう思うか……私自身覇権戦争には最後まで大統領閣下に回避するよう促すつもりだ」
「他の列強から弱気とは思われたくないですね……」
私は頷き、端末でシリウス艦隊に次の攻撃目標をディフェンス系ゲームのように指示を下す。これが進化した宇宙戦争だ。
「卿も覚悟だけはしておけ。私もあまりしつこくは促すつもりはない」
「やはり敗北主義者にはなりたくないご意向が?」
「当然だろう。実際覇権戦争が起きてもこのシリウス艦隊が壊滅することは無いと考えている。それはホワイトキャッスルの幹部達も同じだろう」
秘書司令官の彼は「確かに。仰る通りです」と答え、事務作業に戻る。
シリウス艦隊だけが持つ最終兵器……それは全艦同時斉射のみで起こせる世界線壁広域崩壊砲。その時空の裂け目に飲み込まれたらどんなに一流のパイロットでも、どんなに高性能な戦艦でも脱出は不可能だろう。そしてどれだけ大規模な艦隊でも飲み込める。だが風の噂で耳にしたが、数千隻の艦船を飲み込めるのかという記者の発言があり、私は現実面での話をしてくれと蹴るように答えた。だが今思えばこれを実現できる国家があればシリウス艦隊の唯一の敗北ルートとも言える。
そんな敗北主義的考えに浸っているとノックもせずに扉が開かれる。
「司令長官緊急です!ホワイトキャッスルで全艦隊集合命令です!直ちに集まれと!!」
通信長のこの焦りっぷりは普通では無い。長年シリウス艦隊旗艦の通信要員として信頼していたが、その彼がここまで焦るのも珍しい。
「了承した。しかしこの演習はホワイトキャッスルの政治家達の指針だろう。それを急に変更とは変ではないか?」
「宇宙国家情報局長官の提言が影響してるとまでは教えてもらいました!小官はこれ以上は何も知りません!」
私は無線機を取り出して、マイクに向けて指示を送る。
「シリウス艦隊全艦へ、これより我が国の首都星に帰還する。ホワイトキャッスルからの呼び出しだ。各艦長は相応の準備を整えたまえ」
宇宙国家情報局長官が提言などただ事ではない。少なくとも良い知らせではないはずだ。
昔大日本聖国のお土産で貰った胃薬を飲み、一呼吸し、ため息をつく。
「卿は何か知らないか?」
「私は秘書司令官ですよ。そんな国家機密知っていたら報告しております」
彼も少なからず苛立ちがあるようだ。当然だろう、この演習が終わったら数週間の帰宅が我々には約束されていた。そして愛妻家の彼が妻に会う数少ないチャンスだったのだから。
こんばんは!黒井冥斗です!今日も一日お疲れ様でした!そんな中この作品を手に取っていただきありがとうございます!黒井は今日歯医者で口腔状態要改善指導を言い渡されました…歯磨きスキップは避けた方が良さそうですね…皆様も歯を大事に!そしてお身体も大事に!
短くなりましたがお疲れ様でした!いい夜を!




