第32話:聖皇陛下の降臨
第32話:聖皇陛下の降臨
宇宙基準日数日前 大日本聖国統合参謀本部では
我が国大日本聖国には3隻の護国艦と呼ばれる超重々戦艦クラスの船がある。大和乃御国、武蔵乃御国、月乃三笠の3隻だ。そのうちの1隻である月乃三笠が石崎剣示の独断により、学生反乱艦隊の拠点惑星。通称希望の星とやらに先入偵察に向かったとの事だ。
聖国航空宇宙海軍の各司令官や主力艦艦長達が集まり、意見を投げ合っており、空波家としてここは落ち着かせたい。
「全員落ち着け。石崎剣示海軍元帥は優秀な男であり、軍人だ。今は信じようではないか。いざと言う時は我ら航空宇宙海軍序列1位の我が艦隊で潰せばいい」
自分で言うのもなんだが聖卿家のトップ派閥の主の言葉はよく、通じるようで艦長達も落ち着きを取り戻した。
「空波閣下、お言葉ですが月乃三笠は大型発展余地を残した護国艦であります。学生達が何か新しい手段を持っていたらかなり危険な敵艦に生まれ変わるかと……」
再び、騒がしくなろうとした時だった。凛とした、まるで会議場の女王のように我妻になる予定の月姫が入ってくる。
「その心配は及びませんわ。お兄様達の動きはこちらで把握しております。セルヴァート教授との交流もしているそうですが脅威には至らないでしょう」
まぁ、この状況ならこの嘘は見破れないでしょう。何せお兄様は護国艦に匹敵する超巨大艦を入手した事をここで告げれば、お兄様が殺されてしまう。そんな不幸など起こさせはしない。
「月姫嬢、恐れ多きながら月乃三笠は次世代試験艦としての役割も持たせた艦です。かつて我が国は島国だった頃の戦艦三笠が下瀬火薬等でバルチック艦隊を撃破したようなそんな新兵器を載せる、そして試す船です。セルヴァート教授の知識次第では破壊不能になるかと」
私はため息を押し殺し、センスで口元を隠しながら、クスクスと笑う。
「フフッ、月乃三笠の最大の弱点は速力の遅さ。いざとなれば準主力艦隊が総力を挙げても壊滅的被害は免れないでしょう。そうでしょ、嶺二様」
「妻の言う通りだ。月乃三笠の弱点が判明しており、なおかつ対処法もシンプルなら恐れる必要はない」
再び空気が安堵のため息やコーヒーをすする音で満たされる。
だけど誰も気がついて居ないのか、言わないのか私としてはセルヴァート教授が月乃三笠を高速改造する可能性があるが言及していない。やはり凡人は凡人。優れた指揮官ならこの場で訴えなくてはならない。それが月姫式王への道なのだから。
その時だった、1番上座の席でのその後ろの聖皇閣下専用のドアが開く。
特別な鈴をつけてあるので静かな会議室に激震が走ると同時に、傾注し、敬礼する。
黒いロングストレートの黒い瞳、やや背の高い女性は、日本国が大日本聖国に生まれ変わった時のまだ歴史の浅い、これから伝統になる黒と紫を基調とした和服に蒼色の菊紋の勲章を携えている。
「月姫……貴女のお兄様愛は私も耳にしております。だから問います。国家の為なら兄を撃てますか?」
全く、意地悪な皇帝だ。これをバカ正直に撃てませんと言ったら、立場が危うくなる。野望の為にも……
「聖皇陛下のお手を煩わせることは致しません。拘束し、無力化致します」
「月姫、私は撃てるのかと聞いているのですよ」
「フフッ、陛下。申し訳ないのですが私の射撃の成績はあまり良くありません。当てる気でも当たらないかと」
陛下の訝しむ顔が久しぶりの恐怖と緊張を覚え、それでも真剣に瞳を見る。
「そなたの愛と技量は承知したわ。少なくとも必要があれば発砲する覚悟はなさい」
陛下はそれだけ言うと、再びドアの向こうに戻る。
はぁ……危なかった。危うく本当に立場を失うところだったわ。射撃が下手で良かったと思う日が来るとはね。
「月姫よ、よく聖皇陛下と強く会話できるな。正直驚いたぞ」
「嶺二様の妻たるもの、覚悟をもっての上です」
嶺二様も満足げに会議の続きを始める。
「さて、ドイツ連邦星間帝国が新型主力艦の開発を行っているという情報を耳にした。シュヴァルツ・シュロース級よりも少し小型で、対空兵装の強化と側面砲塔を載せているとの事だ。他に情報を知っている者は?」
全員が顔を見合せ、誰がこの聖国の航空宇宙海軍の事実上トップのご機嫌を取れるか見合う。
「空波閣下、私は武官としてドイツ連邦星間帝国に1週間前まで滞在し、同時に諜報活動をしてきました。そこでわかった事として、並行世界線の空間エネルギーで船を高速建造する技術を実用段階数歩手前まで来ていると判明しました。ディープな情報ではありますが比較的表面寄りです。あくまでもご参考程度に」
空波閣下は頷きながら、1つ問う。
「主力艦はどれくらいで出来るのかな?」
「並行世界線のエネルギー量や帝国の技術力にもよりますが、私の部下の計算では一日に4隻以上作れるのは間違いないかと。そして建造時のリソースはほぼ不要。無敵の大艦隊の出来上がりです」
あまりにも常識から逸脱した発言に各参謀や艦長らはもはや葉巻やコーヒーに浸る事すら出来ずに、ただ1つこの計画を打ち砕くにはどうすればいいか考えていた。
「ちょっと厄介かな。大艦巨砲主義の我々と無数の主力艦のライバル国。何かの漫画みたいだ。月姫、君ならどうする?」
私に質問が振られるのは分かっていた。嶺二様のドSっぷりはこれでもよく理解してるつもりでもある。
「不可侵条約を結んでこちらも対抗策を練るべきかと。と同時にドイツ連邦星間帝国のその施設を粉砕できる精鋭艦隊の編成。私の得意分野ですわ」
「ふむふむ。流石私の妻だ。大日本聖国の航空宇宙海軍の幹部諸君、何も心配する必要はない。何も。全ては我が国が覇権を握るままに」
その後は幹部同士の情報交換と協力網作りのお茶会が始まり、伝統ある和室で抹茶と茶菓子を手に会話が始まった。
私はそんなのには興味はなく、空波家公邸に向かい、自室でお兄様の艦隊ピースオブフリートの中枢ネットワークに仕組んだ諜報システムで情報を集める。
「兄妹の恋愛はこれくらい過激な方が燃え上がるわよね」
思わず独り言を呟き、キーボードを押す手が止まらなくなる。そしてふと思う。私がお兄様を愛して、溺愛した全ての始まりのきっかけを
こんばんは!黒井冥斗です!この話もお手に取っていただきありがとうございます!
星間国家覇権戦争シリーズは常に感想募集中なので読んでる最中に気になった事をお聞かせしてもらえると嬉しいです!もし、面白かったら評価やブックマークもお気軽にどうぞ!
今日は残念ながら雑談のネタがありません!すみません!強いて言うなら男の娘の良さを少し知りました。いつか登場させるのも検討してます!
それではお疲れ様でした!いい夜を!




