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第2話:恋は時に理性を壊す

第2話:恋は時に理性を壊す

あれから僕は勇気を出して、雪室中佐に手を繋ぎたいとお願いしたら、静かに握って微笑んでくれた。信じられなかった。論理の堅物と今までバカにされた自分が初めて触れる恋に心が躍っていた。

「ねぇ、石くん。これからは南って呼んで欲しいな……」

え、人を名前で呼ぶって……本当に親しくないと……雪室中佐はそんなに……僕のことを……

「み……南……さん……」

人の事を名前で呼ぶなど初めての事だった。心拍数が天井知らずに上がっていくのを感じる。

「もう、堅苦しいよ〜。南って……ほら?」

「南、南好きです!」

彼女はフフと笑みを見せながらも「はい……!」と返事をしてくれる。

危うく心臓発作を起こしそうになりながらも二人で過ごす時間は確実に増えた。そして毎回寮の部屋に帰る度に、真田に伝えていた。彼はニコニコしながら話を聞いていたが彼は大学の広報サークルにいた事を失念しており、堂々と男子寮ロビーのホログラム掲示板に全部暴露された。あの裏切り者がぁぁ!!と僕は心の中で叫んだ。さらにつけ加えで「女子には内緒だよ」とまで書かれており、僕はもう、ホログラム投影装置に機関拳銃を撃ちそうになった。

その日は体調不良という事で部屋に引きこもり、寝ていると外からガチャガチャと金属が擦れる音が聞こえる。

この不気味な金属音は……

テロリストの襲撃が現実味がある現世界ではベッドの下には武装がある。すぐにアサルトライフルと機関拳銃を取ろうとすると外から教官の「何してんだお前ぇぇ!!」という怒鳴り声と聞き覚えのある声で「アイツが俺の女を取ったんだ!」と聞こえ、ドアを開けるとそこにはガスマスクを付けた佐藤大尉なのだが……旧式の実銃を見ただけで四丁、胸元には特殊音響手榴弾や本物の爆風破片手榴弾……そして額に巻きつけたハチマキには「コノ仇必ズ、討ツ」と書かれていた。

「佐藤落ち着け!僕達合意だから!というか君は補習しないと仇を討つ前に退学だぞ!」

僕の説得で彼は冷静になり、現実を思い出したようで……

「教官、勉強のご指導を……」

「始末書書いてからな」

と言われ、剛腕の教官に引きずられて行った。なんとも賑やかな一日の締めくくりは真田に二度と雪室との恋愛関係を書くなと言い聞かせ、冬季休暇前の演習の為に、将来的に僕が乗る予定の御影級準主力戦艦に関する資料を見ながら、日々は過ぎ、そして演習の日が訪れた。

第2話も読んでいただきありがとうございます!第2話は短めですね。プロローグと1話が長かったので連続して読む際に疲れにくいようにと思って調整させていただきました。また何かご要望等ございましたら、ご意見をもらえると幸いです。

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