第26話:シュヴァルツ・レジスタンス
第26話:シュヴァルツ・レジスタンス
我々は抑圧され過ぎていた。ドイツ連邦星間帝国の覇権、総統元帥のこの願いのために全ての国民は歯車と化す。そしてそれは名誉だと。
我々、シュヴァルツ・レジスタンスは国家保安警察の管轄が及ばない小さな構成惑星の1つの小さな拠点しか持てなかった。
そこには3000名ほどの帝国への反逆者達が作業用ロボットと共に航空宇宙戦艦を建造しており、現時点で巡洋戦艦クラスが4隻、対空戦艦2隻、超弩級戦艦1隻がある。駆逐艦も本当は必要なのだろうが、資材的にも余裕がなく、主力艦しか作れなかった。
「アッシュバルト司令官、良くない知らせです」
「どうした?グレーテル革命大佐」
そう、私の名前はアッシュバルト・フォン・レーゲス。爵名がある通り、名家出身だが、家族とは縁を切っている。
グレーテル大佐とも20年近い付き合いだ。良くない知らせということはかなり良くないのだろう。
「72時間以内に国家保安警察の航空宇宙部隊が当該惑星、レベリオンに到着します。国民指導局長も乗船してるとの情報もあります」
「内部に密告者がいたか……至急総員にこの星からの離脱準備に入るように指示してくれ」
「はっ!」
その時、扉が乱暴に開けられ、現れたのはこちら側の国家保安警察の諜報員シューデルだった。
「シューデル、どうした?」
私の声を聞くと、彼は息を切らしながら、書類を机に置く。
「はぁはぁ……国家保安警察の……密告者リストと……大日本聖国の学生反乱の情報です」
「よくやった!ご苦労、少し休むといい」
書類を見るとリストにはレジスタンス内の幹部にも密告者がおり、落胆するしかないと思われたが、大日本聖国の学生反乱の情報を見ると惑星1つを丸々持っており、四大列強の各列強体制反乱部隊に集結を呼びかけていた。
「NSG-003Dフィシュテル……別名希望の星か……」
ここに賭けるのが最も望ましいだろう。少なくとも見た限りの艦船の数は我々よりも多い。
「グレーテル大佐、フィシュテルへ向かうぞ」
「彼らに賭けるおつもりですか?」
「それが一番現実的だろう。私も準備をする」
「かしこまりました。リストの人物は如何なさいますか?」
私は少し考えた。彼らは献身的に働いてくれて、国家への対抗意識もあったのは私がこの目で見てきた。
「レジスタンスから追い出す程度にしてやってくれ」
「承知しました……」
私はそのまま自室で出発の準備を整え、彼らとの交渉なども考えながら、制服を着る。
その頃国家保安警察総指導部では
金髪に長身、黒い制服という国家保安警察らしい服装に国家保安警察の最高栄誉賞に当たる秩序の剣章の勲章を携えた国民総指導部部長ラインハルト・フォン・アーセナルドが上席に座り、他にも多数の国家保安警察の幹部らも同席していた。
「諸君らの知っての通り、我々四大列強体制に反旗を翻す者たちが現れ始めた。これは真に由々しき事態だ。さて、君達ならどう処理するかね?」
1人の幹部が静かに挙手し、指名される。
「私なら情報や思想を吐かせた上で射殺が適切かと」
「うむ、悪くない。だが、まだまだ甘いな。公開処刑と親族の公職追放兼永久的な公職任命権剥奪だな。これくらいしなければ再び火の粉が舞い上がる」
「恐れ入ります。ラインハルト部長……それと……1番端の席に座ってる者は……?」
「ん?黒神の事か。あまり知らない方が長生きできるぞ」
その端の席には色こそ真っ黒であるのは周りと同じだが、僧侶とも言うべきか黒装束に身を包み、顔すら隠している。
そして黒神と呼ばれた者はこちらに頭を下げる。その時に感じた、もし彼が本気のたった5パーセントでも出せばこの瞬間ここにいる全員の首が飛ぶと。物理的な意味で。
「そ、そ、そうですか……」
そんな恐ろしい気配をここにいる全員が感じ取ってるはずだ。なのにラインハルト部長は顔色1つ変えずに書類に目を配る。
「あーそうそう、国民指導部局長にはドブネズミの排除を任せたが成功するかね。ねぇ?国民指導部部長君?」
「総指導部部長のお手を煩わせることはないかと。必要に応じて処罰なり、賞与を与えれば問題ないと思われます」
「ならいい。さて、この中に1人自爆テロを画策しようとする者がいると私は聞いてる。先生は怒らないから手を挙げなさい」
誰も手を挙げない。ただ周りをキョロキョロするだけだ。そんな不気味な雰囲気の中で今日ここに入る時に1人だけリュックで来た者を思い浮かべる。そのタイミングはほぼ同時、帝都治安維持局保安部長だった。
彼に全視線が向けられる。
「私じゃない!私じゃないぞ!ようやくこの地位を手に入れたんだ!今更自爆して何になると言うんだ!災害に備えて非常食やモバイルバッテリーを持ってきたんだ!そもそも荷物検査があるのだから持ち込めるわけないだろ!!」
言い終わると同時に両手で机を叩く。
一瞬静寂が訪れるが、ラインハルト部長が楽しそうに質問する。
「それ、本当にモバイルバッテリーかな?荷物検査時に君が10万ミリアンペアの大容量バッテリーであると楽しく自慢していたがその大きさからして次世代爆薬ならこの本部吹き飛ばせるよね」
「ラインハルト部長!私は帝都を任されてる身なのです!今こんな所で自爆など……!
」
「そういえば奥さんは元気かな?」
彼の表情が青から赤へと変わる。怒り、憎しみ。それ以上の何かを持っているのはこの会議場に居れば誰でも分かる。
「なっ……エレナーデは……エレナーデは……お前が粛清したんだろォォ!!」
ふっ、簡単に怒りを示す。彼も彼の奥さんも無能だ。どうせ次の瞬間には自爆スイッチでも出すんだろう。
ポケットから自爆スイッチが見えた時に、我々側の席には見えていた時には黒神が既に彼の腕を切り飛ばしていたと。
「自爆してやるぅぅ!!……腕が……ない!?」
彼の前に黒神が保安部長の腕を握っていた。
「ラインハルト部長、次世代爆薬通信信号型起爆装置付きと思われます」
「よくやった黒神、首もはねてやりなさい」
保安部長はもう片方の手で手榴弾を引き抜くと同時にピンを抜きこの会議室を吹き飛ばそうとする。そこまでは我々の目でも追えたが突然手榴弾が窓の外にありえないくらい真っ直ぐ、そしてとてつもないスピードで飛び出で、起爆する。爆風の音が聞こえるだけの距離まで飛ばされていた。
その間に保安部長の胴体と首がさようならをしており、ラインハルト部長が満足そうにしていた。
「さて、これにて会議は終了。皆お疲れ様」
事態の割にあまりにも簡単に会議が終わり、本当に終わったか疑問に幹部達は思いながらも会議室を後にする。
こんばんは!黒井冥斗です!いつもお手に取っていただきありがとうございますございます!皆さんはお礼参りには行かれる派ですか?黒井は神様にお願いした事が叶って、今年のお正月のおみくじ通りに動いたので今日はお礼参りに行ってこようと思います。とても大切な友人と再会できたのでそのお礼です。
では、週の初め、辛い事も多いかもしれませんがご自愛しながら頑張りましょう!それではいい夜を!




