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第25話:ドイツ連邦星間帝国からの疑義の視線

第25話:ドイツ連邦星間帝国からの疑義の視線

艦隊司令官室でこのまま上手くいったら息子が私の上官になると思うと少し不思議な感じがした。

「はぁ……忠光。お前まで来ることなかっただろ」

「私は閣下に忠誠を誓っております」

葉巻を取り出して、前世紀マッチで火をつけ、煙を吐き出す。

「『彼』は来てくれたか?」

「はい、神矢氏はかなり乗り気でした。聖卿の派閥争いは疲れたと言っておりましたよ」

私は「ならいい」と返し、月乃三笠級の各部署の状況を確認する。

月乃三笠級の特徴は50口径80cm三連装多次元超重力砲を6基備え、偵察航空部隊拠点としても運用可能で、何より今は高コストで使われることは少ないが時空間防御壁を展開可能で艦艇出力の60%を使うがほぼ全ての攻撃を十数秒無力化できる。

他の随伴艦には大型戦略空母「富士」、高速駆逐艦「雷撃」など総勢68隻の艦隊の上、全艦が長距離ワープ可能だ。

「追っ手は来ているか?」

「いえ、確認されておりません」

「このまま来ないでくれたらありがたいが……」

まさか息子への最期のプレゼントが艦隊だなんて数年前どころか数十年前の自分では思いもよらなかっただろう

「ところで神矢は何してる?」

「現在希望の星までのルートを先行偵察中です」

「やはり、彼の機体はSF-000ジークファイターか?」

「えぇ、低率量産型の四大列強の中でもトップクラスに優れた機体です。24機持って来れました」

私は「ならいい。」と言ってから妻の写真を見る。

「瑞香……もうすぐお前に会えるかもな……」

油断したタイミングだった、突然警報が鳴り響き、「ドイツ連邦星間帝国の艦隊です!」と放送される。

「FCS(火器管制システム)のレーダー波照射までは狙うな!」

私は無線越しに大声で叫び、統合作戦司令室へ向かう。

ドイツ連邦星間帝国艦隊は攻撃する意思は見せず、砲門やミサイルの向きはこちらに向けているがレーダー波は照射していない。

「向こうから無線がかかってきました!」

「繋いでくれ」

大型モニターに映し出されたのは帝国宇宙海軍総長シリウス・ミーナで間違いなかった。

「久しぶりだな。石崎剣示。希望の星へ向かうなら我々と敵対するが勝てるかな?」

「ミーナ嬢、ご安心を。偵察です」

「その割にはずいぶんと大艦隊を率いているじゃないか20隻もあれば向こうは喜ぶだろ」

やっぱり鋭いな……流石あの軍事国家の海軍総長だ。

「手土産は多いがよろしいかと。あと今の我々はまだ大日本聖国所属です。撃てば戦争になりますよ」

「そんなこと読めていますとも。えぇ、だから直々に確認しに来たのですよ。ちょうど近くの恒星系で小惑星帯に向けて、この粒子崩壊攻撃システムの試し撃ちにね」

「それはそれは。ご苦労様です」

なんとか……なんとか乗り切れるか!?

「とりあえず我々の上層部には怪しい大日本聖国の艦隊がピースオブフリートのスパイに向かったと報告しておきましょう。あーそうそう。分かってるとは思いますが、あなたが生命エネルギー砲のエネルギーになるまであと3年。短いですが頑張ってくださいね。それでは」

はぁ……乗り切れた。

「ドイツ連邦星間帝国艦隊、離れていきます!」

レーダー要員の言葉に安堵し、再び葉巻を吸おうとするがもう、残ってなかった。

「忠光、葉巻はあるか?」

「すみません……自分嫌煙家なので……」

「そうか。済まなかった」

すると艦内警備要員から連絡が入る。

「あの……石崎司令官。小型艇から三大賢者の使いという方が来ておられますが、どうなさいますか?」

「来賓室に通せ」

「承知しました」

このタイミングで三大賢者の使い?一体何が起きている。私が来賓室前に着くと白神が2人ドアの前に立っていた……いや、中にも気配を感じる……つまり3人なのか?

「失礼するよ」

部屋に入るとそこには威厳のある髭に長い銀髪の初老の男性。服装は黒のコートと白の燕尾服という奇妙な格好だった。そしてそんな格好をする人間はただ1人……

「レフィーゼ長官……黒神育成機関の貴方が何故ここに?」

「簡単な話だ。君にも黒神を雇ってもらいたい」

なんとも利益も合理性も無い話だ……

「悪いが私は老い先が短くてな。遠慮しておくよ」

「私と君は共にビジネスパートナーとして今まで上手くやっていたと思っているのだがね」

「それとこれとは関係ないはずだが?」

レフィーゼ長官はキセルを吸いながら一言。

「君の息子に護衛を付けさせるという意味さ」

「今や世界中から追われてる息子に、その世界中の中枢の者達を守る護衛を息子にだと?」

静かに空気がバチバチと音を立てて、レフィーゼは、もう見たくない電子契約書を見せる。

「第2の黒神育成惑星だと?」

「今の惑星は限界に近い。そこで希望の星でも育成を行いたい」

「それは実利があっての話だろうな?」

再び、長官は煙を吐き、その煙は煙たいが上品な香りも含んでいた。

「当然だとも。四大列強は我々黒神を便利なように使っている。正直気に食わない話だ。先程国家社会主義連合国から黒神も白神も撤退させた。実を言うと黒神ビジネスは赤字なのだよ。だからこそ新たな芽に賭けたい」

私は立ち上がり、来賓室に置いてある葉巻ケースから1本取りだし、ライターで火を灯す。

「あまり期待するのは、期待外れの時がでかいぞ」

「なぁに、このまま行けば黒神育成は四大列強に取り込まれる。そうなれば軍事的バランス均衡が崩壊し、戦争まっしぐらだ。何百億人死ぬんだろうね」

「何百億の命を救う為に息子の理想を曲げろと?」

長官は首を横に振り、キセルの灰皿に載せる。

「違うな。我々黒神育成機関は平和を望む。その上での政府に向けられた凶刃を持つ重犯罪者から高官を守る。つまり平和主義者の極致なのだよ」

私はこの交渉が失敗に終われば犠牲者以上に今後の人類種存続にも影響が出ると判断した上で答えを下す。

「息子に黒神を4名付けさせて貰う。契約金についてもこの電子契約書に同意しよう」

「助かるよ。全ては世界の平和の為に」

「平和の為に」

平和……平和なぞ、存在しない。武力によって落ち着いた戦争への準備期間が平和と言われてるだけで、実際のところは軍備拡張期間と答えるのが正しいと私は思っている。

こんばんは!黒井冥斗です!いつもお手に取っていただきありがとうございます!個人的にはこの辺を書いてる時が1番楽しかった記憶があります。

いつか月乃三笠をブロックパーツとプラモデルの組み合わせで作りたいですね。一応計画はありますが置き場所問題は未解決に近いです…

さて、そんな話は置いといて…休日最後の日に読んでいただいた事感謝します!明日もしっかり投稿する予定なのでお楽しみにしてください!それではいい夜を!

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