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第21話:黒神の生まれ方

第21話:黒神の生まれ方

僕は両親も祖父母の顔も知らない。兄弟や姉妹の存在も知らない。だけど1つ確かな事がある。5歳で初めて人を殺した。

四大列強惑星の重犯罪者やどうにもならない精神疾患者が集められるこの星では、四大列強の政治の中枢達を護衛する黒神と呼ばれる者たちを育成していた。条件は生まれついた基本寿命が800年が最大と決められてる者の赤ん坊が国に買い取られ、ここに来て、ヒューマンチェンジャー技術で何百年もの寿命と交換で戦闘技能を極限まで高められ、そこから更に訓練と人殺しを通じて、さらに上を目指す。

「BD-3-005、刀を見せろ」

BD-3-005が僕の名前だ。BDはランクのような物でHS(ホワイトSクラス)が最高位で黒神内ではBS(ブラックSクラス)が最高位。3は多分どの四大列強から来たか分かるようにするコードで、005は番号みたいなものだ。

「はっ……」

僕もこの大人も子供も混じって、足音も声も、抜刀音すら立てずに刀を抜く環境に慣れたせいか、低音の静かな声で、先生にあたるBA-3-006に刀を見せる。

「肉片が付いている。まだ速度が遅い証拠だ。精進したまえ」

「精進致します」

意外かもしれないが黒神の育成において罵詈雑言はほぼない。怒鳴り声なんて聞いたことすらない。先生はただ静かに問題点を述べて、僕達に改善するように言うだけ。それがきっと1番効率的なのだろう。

「先生、白神は存在するのでしょうか?」

「いる……とだけ言っておく。そこを目指したくば、私を殺した事にすら気づかせないくらい早く斬れるようになれ」

「はっ……」

噂によると白神は四大列強の政治トップ層または三大賢者の護衛につき、なおかつ首都での行動のみを約束されるらしい。今まで十数名が白神クラスまで行ったらしいが情報が降りてこないのは幼い自分ながらでも不気味に感じる。

翌日、まだ陽も昇らない時間に僕達は起きて昇段テストに向かった。朝ごはんは毎日よく分からない栄養ドリンクのみ。だけど記憶にある朝ごはんがこれしかない。

そのまま修練場に向かい、黒装束の人間だらけの「いつも通り」の環境で昇段テストが行われる。審判はBAクラスが行う。

そして僕は同じBDクラスの者と向かい合い、黒神の基本姿勢直立からの護衛対象の合図または護衛対象を守るための抜刀が基本なため、真ん中に護衛対象の人形を置き、真ん中の外側にいる審判が旗を振った瞬間が護衛対象の合図として相手側を斬る。もちろん木刀だが音速を超える戦闘が基本な僕達の戦いでは、この薄い黒装束ではそこそこの痛みを感じる。

向かい合いながら直立の姿勢を維持する。

旗は上がらない。まだか……

旗は上がらない。

ま……

パっ!

今だっ!!

僕は身体をドリルのように地面と水平で回転させながら、音もなく刀を引き抜き、相手と鍔迫り合いになる。

こうなると、初撃をどうするかが焦点となる。蹴りか、片手に切り替えて殴りか、滑らせるか。

だが、僕には策があった。刀を持つ両手を離し、相手が倒れかけた瞬間に自分の腕を、相手の首を締めるようにして、殴りを軽くだが骨盤を素早く打つ。これが実戦で相手が普通の人間なら骨盤骨折によって、失血死する。とりあえず合格判定か……?

「そこまでっ。005お前の勝ちだ」

「ありがとうございます」

その時だった、修練場の扉が開くと白装束の人物が現れ、周りが混乱する。

それは声を上げたり、狼狽える混乱ではなく、状況を認識できない静かな混乱だった。

「BC-3-005来なさい」

僕が指名された?しかも昇段テスト合格直後に?

「かしこまりました」

僕は走って駆け寄るとそのまま、一度も入ったことのない来賓室に通される。そこには教本で読んだ水色の髪が特徴な、美しき天才美少女セルヴァート三大賢者の1人がいた。

僕は頭を下げて、入室する。

「君が噂の005君かぁ。おっと、セルヴァート・ミラフォース特任教授だ。ちなみにそこの白神ちゃんは私の直衛でね、では、なぜ君を呼んだのか。簡単だとも、君を機動戦力として雇いたい」

情報量で圧殺されそうな中で機動戦力?と疑問が浮かぶ。

「今私には2人の白神が着いている。だが黒神のAやSは希少な戦力。D以下は技能が低い。でもただのB・Cでは味気が無い。そこで基本寿命1000年超えの内900年を戦闘能力に回された、若き希望のエースに私の部隊を率いて欲しい。上の許可は取ってあるから心配するな」

「つまり、手となり、足となれと?」

「そういうことだ。私は君に可能性を感じている。ほとんど黒神は650年から800年分の寿命を戦闘技能にしか捧げられない。だが君は900年分だ、私が最強の白すら超えた黒にしてやろう」

不思議と惹かれる言葉遣いに僕は彼女の、新たなるご主人様の手を取った。

そしてセルヴァート三大賢者の乗る宇宙戦艦は小惑星レベルの大きさで、その中の艦内警備員の士官室が僕の部屋となった。

「ようこそ、黒神005。そして新たなる名としてミラヴァートの名を授けよう」

初めての職場で、初めての名前が与えられた。もう、BC-3-005の自分はいない。僕の名前はミラヴァートだ。

こんばんは!黒井冥斗です!今夜二話目の投稿にもお越しいただきありがとうございます!アクセス解析を見ていると深夜にも需要がありそうなので試験的に投稿してみました。もし、今日この作品を初めて手に取った方がいましたらぜひプロローグから読んで、星間国家覇権戦争の世界を一から体験して欲しいです。

そして週末ですので皆様の読書の時間がいい時間になるように自分も精進していきます!それではお疲れ様でした!

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