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第12話:欲望の代償

第12話:欲望の代償

僕はどこで間違えた……?今まで順調だった、平和の為に動けば間違いはなかったはず……

だが先ほどの戦いでドイツ連邦星間帝国の保有するシュヴァルツ・シュロース級には僕たちのピースオブフリートの旗艦御影の46cm荷電粒子砲が全くと言っていいほど効果が無かった。そして航空宇宙空母から発艦した戦闘機隊は誰も帰ってこなかった……

「石崎艦隊司令長官、ご指示を……」

山本参謀長が問いてくるが何も答えられない。

「僕は……僕は……!!」

シュヴァルツ・シュロースは既に我が艦隊後方600宇宙距離までいる。あと数分後にはあの92cm世界線壁崩壊粒子砲が飛んでくる。怖い。それが率直な感想だった。

すると艦隊司令室のモニターが写り、大日本聖国の航空宇宙軍大学副首席という僕と熾烈な争いと初めての恋をした仲の雪室艦長が映る。

「全く、石崎君らしくないよ。君なら何か作戦いつも思いつくでしょ?」

「すまん……雪室……」

雪室の表情は呆れよりも、困った彼氏を助けてあげたいような自責の表情が目に見えた。

雪室は溜息をつき、何か覚悟を決めたようで恐ろしい発言をする。

「雪室艦長から航空宇宙駆逐艦雪国全艦員へ、スペースイグニッションシステムを臨界状態にさせて、シュヴァルツ・シュロースの特別攻撃を敢行するわ」

聞き捨てならない発言だった。共に決起を誓い、最後まで戦い抜くと決めた仲間、そして恋人が死ぬなど全くもって受入難かった。

僕は持っていたコーヒーカップを落とし、ライバルでありながらも恋心を抱いていた彼女の発言を受け入れることなど出来なかった。

「雪室!その作戦は許可できない!!すぐに引き返せ!」

「……でもさ、これしか方法はないんじゃない?元々この艦隊は寄せ集めの艦隊だから主力火力の御影と重巡洋艦数隻、空母1隻、ミサイル艇4隻、でも駆逐艦は1隻だけ。そしてミサイル艇ではスペースイグニッションの臨海爆発エネルギーが足りない。この意味分かるよね?」

嫌だ……雪室とはこれからも戦い続ける!そう決めていたのに……決めていたのに……

「頼む……引き返してくれ……」

「はぁ、石崎くん。いえ、艦隊司令長官殿、小官はこの作戦は困難だと事前に申し上げましたが貴官は御影の火力なら勝てるとおっしゃいました。その発言の責任を私達が取ります」

会議室での会話を思い出し、自分がどれほど傲慢でこの状況まで転落したか走馬灯のように駆け巡り、混乱は激しくなる。

戦争において欲の出し方を誤れば、即座に転落する。そんな無情さを痛感した。こんな事教科書で学んだ事と全く同じではないか。

「そ、その……僕は……勝てると……」

「石崎艦隊司令長官の宇宙の平和への願い、そして今を含めた今後の平和統一艦隊への祝福があらんことを」

モニターが消えても、僕は何も言えず黙るしかなかった。正確には何も言うことが思いつかなかった。

「雪国級駆逐艦雪国が進路を180°転換!シュヴァルツ・シュロースに突っ込んでいきます!」

航法監視要員の声が響くと僕は作戦の責任を取れなかった挙句、事前の会議で必ず勝てるという傲慢で恋人と大切な部下を失うことになった。

もはや、何を言っても許される立場ではないと身体中に刃物が刺さるかのような感覚を覚える。

「これが……転落か……」

そう呟くと艦隊司令長官としての覚悟を決める。

「……全艦全速前進!!雪国の犠牲を無駄にするな!!」

僕はそう叫び、涙を一滴零し、自分の愚かさと責任を痛感した。

こんにちは!黒井冥斗です!今日は大会応募からの初の土日です。どんな作品の伸び方をするのか個人的にも気になるところではあります。土日は基本的に昼と夜の2回投稿を考えているので楽しんで頂けたら幸いです!それでは、また夜にお会いしましょう!

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