謎の道⑤ 死の森
つむぎは急いでゆきの所に向かっていた。
ゆきに結界を張ってくれていた蝶のおかげで、ゆきが今どこにいるかわかる。
下へ降りていく。
ふわりと髪が浮く。
つむぎは綺麗に地面に着地した。
ゆきはデッカイ猿を拘束していた。
蝶たち、あのデッカイ猿は何か探って!
すると、デッカイ猿を蝶たちが包み込む。
見えた!
やっぱり!
鑑定結果には、
『化け物化した動物霊』
と表示されていた。
「おーい!」
エイトがこっちにやってくる。
デッカイ猿を見てエイトが、
「あの巨大ネズミと同じようなやつがいたのか!?」
と驚いていた。
「出くわしたやつをそれぞれ言ってこ」
つむぎは提案する。
「うん!ゆきはこのクソ巨大猿に出くわしたよ!」
「お、お主・・・」
エイトは後退りしていた。
たぶん、デッカイ猿に向けての殺気をエイトも感じ取ったんだと思う。
デッカイ猿も震えてるし。
神にも怖がられるゆき、恐るべし。
「わ、わしは巨大なネズミに出くわしたぞ!光になって消えていったが」
あっ。つむぎと同じだ。
「つむぎはデッカイフクロウに出くわしたよ。それでさ、そのデッカイ猿とデッカイフクロウを鑑定したんだけど、二匹とも『化け物化した動物霊』っていう同じ鑑定結果だったんだよ。だからエイトが出くわしたっていう巨大ネズミも同じ、『化け物化した動物霊』だと思う」
「『化け物化した動物霊』!?なにそれ!?」
「そのままじゃろ。だが、わしも『化け物化した動物霊』なんて聞いたことないのじゃ」
エイトが考え込む。
「ねえ、デッカイ猿。ここってどこなの?」
『言うわけない』
「死にたいの?」
ゆきが聞く。
ゆき、すらっとそんな怖いこと言わないで。
『言いますううううう!!なのでころさないでええええええええ!!』
「ならさっさと言って」
あっ。エイトもめっちゃ怖がってる。
震えてるじゃん。
『こ、ここは「死の森」。破壊神様が創った森だ。ここにはお前らが成仏させたフクロウとネズミ、そしてわらわの3匹の「化け物」がいる。3匹を成仏させると帰れる。だが、普通は成仏させることは不可能でそのまま死ぬので、』
「だから「死の森」っか」
『そうだ。「死の森」はこの世にたくさんある。その中に破壊神様がいるお城がある』
「へえ。それで全部?」
『ああ』
「ならじゃあね」
ゆきがデッカイ猿の頭を苦無で刺す。
デッカイ猿は光となって消えた。
消えるとつむぎたちは光に包まれた。
光が引くとそこは謎の道が現れた分かれ道だった。
だけど、その謎の道があった所は行き止まりになっている。
か、帰ったんだ・・・
帰れたんだ!
やったあああああああ!!
帰れないかと思ったあ!
っていつの間にか夕方になってる!?
「エイトもう帰らなちゃ!話し合いは念話で!」
「わかったのじゃ!」
「ゆき、行くよ!」
「うん!」
つむぎとゆきは急いで家に帰った。
帰った後・・・・・・
今から「死の森」でわかったことを話すよ。
まず、「死の森」は破壊神、デストが創ったってこと。
『破壊神であるデストは普通は創れないはずじゃが・・・』
『なら、デストに何か起きてるってこと!?』
つむぎも同じ考えだよ。
でもその起きたこと、つまり「変化」てなんだろう?
『デストがなぜか創れるようになったことと』
『デストが駒を仕えていることじゃな』
今のところはそうだねえ。
『天界でわしが調べておくのじゃ。そっちはお主らに頼むのじゃ』
じゃ、それぞれの所で調べるってことでいいね。
『そうなのじゃ』
念話が切れた。
うーん・・・
あの三匹は『化け物化した動物霊』でたぶんデストの駒。
確かデストは「天界を滅ぼし、世界を地獄にしようとしている」ってエイトが言ってたよね?
地獄って死者がいる所の一つで、天国の真逆で・・・
・・・「鬼」
「鬼」がいるイメージがある。
悪さをした人たちに罰を下すんだよね。確か。
「鬼」もデストの駒って可能性があるってこともあるよね?
それか「死者」が駒?
それかどちらとも駒なのかな?
ゆきに話してみよ。
「ゆきー」
つむぎはゆきの部屋に行って自分の考えを伝えた。
「確かにあり得るかも!」
「そうだとして、「鬼」は赤い肌とか青の肌とかしてて、角が生えていたり鋭い歯をしているイメージだよね」
「「死者」は透けているっていうイメージがあるよ!」
「でも、『化け物化した動物霊』っていうのは透けてなかったよね?」
「普通の動物霊じゃなくて「化け物化した」からかな?」
「なら「死者」も化け物化してる可能性もあるよね」
「そしたら「死者」も透けていないかもしれないから、生きてるかわかんないかもしれないってこと!?」
「あっ。あと「死者」って体温ないよね」
「でもいちいち体温あるか確認するの面倒だし、もし生きてたら失礼かもしれないよ!」
「そうなるよね」
「う〜!頭痛くなってきたあ!」
「じゃあ、またこのことをエイトに伝えよっか」
『聞いてたぞ!』
うわ!
びっくりした!
てか聞いてたの!?
『そうなのじゃ!その考えはいいのう』
良かったあ!
『でも、やっぱり会ってからじゃないとわからないよね!?』
だよねー。
『そうじゃな』
じゃあ「死者」と「鬼」、多分鬼はわかりやすいけど頑張ろ!
『『おー!(なのじゃ)』』




