詩 俺と離婚したかったら、ここまで手紙を届けてみろ
手紙を届けたい
世界で一番のあなたに
思いをありったけ綴ったこの手紙を
でもなんで
なんでなのかしらね
世界の反対側にいるなんて聞いていないわよ
すたこらさっさ
すたこらさっさ
知らない間に いなくなる
分からないうちに 消えている
瞬間移動かと 錯覚する
むしろそうじゃないかと 思ってしまう
「ずっと前から、お前が嫌いだった」
「家のために、結婚してやっただけ」
「真実の愛を求めて何が悪い」
うん 悪くない
悪くはない
それ自体は
そう思うだけなら
たぶん 悪くはない
たぶん おそらく きっとそう
けれど 色々あるじゃない?
やるべき事が あるじゃない?
いうべき事もあるじゃない?
「私と結婚したまま、他の女とくっつこうとすんな」
「旦那に逃げられたまま離婚できない私の立場、考えなさいよ!」」
「手紙なげつけたろか」
手紙を届けたい
世界で一番大嫌いなあなたに
苛立ちと腹立ちをありったけ綴ったこの手紙を
ねぇなんで
なんでなのかしらね
世界の反対側まで追いかけるはめになるなんて
「ストーリー」
親同士が決めた愛の無い結婚。
最初に知らされたのは手紙一通だけ。
そんでもって、婚約者に逃げられた時に知らされたのも、手紙一通だけ。
気持ちはわかるけどもね。
あなた、勝手に人の婚約を結んだ連中(両親)共と同じことしてるわよ!