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可惜夜にサヨナラを  作者: 七月 ナツキ
賭け金は勝機になり得る
14/16

余流に宴を


「お前…お前!なんなのだその体たらく!」

ボロボロになったケイトを指さし、ツムギはそう言った

ツムギは怒り心頭という様子でケイトに詰め寄る

「いやッそんなこと言ったらお前も!」

血塗れになったシャツに気付き指摘し、ツムギの顔を見る

涙目の少女の表情に思わず言葉を失った

「……悪かったよ…ごめん」

分かればいいと言うようにツムギが鼻を鳴らす

どうやら止血は済んでいるようで、ケイトができることは無いと言われてしまった

「そんなことより、コレを助けるって事で良いのか?」

呑気に意識を飛ばしたままのテルを指差してツムギはケイトの意思を聞いた

「助けるって言われると癪だけど、だいたい合ってる」

「ふーん、まっ、それでこそだな」

「?」

「お熱いのね、お二人さん」

「そこは否定させて貰うけど…待ってくれるとは思わなかった」

「いやね、私にだって、再会を邪魔しない良識くらいあるわ?」

そう言いながら女は傘を自身の腕にかけ、ロングスカートの端を摘み、優雅にカーテシーを決めた

「改めまして、地桜連合、幹部の千世 カトリ どうぞよろしく」

ゾッとするほど甘い笑顔を二人に向けそう言い放った

二人とも示し合わせたように、後退りをした

別に特にこれといっておかしな言動をしている訳ではない

にもかかわらず、ソレは人間に携わっている根源的な恐怖をこれでもかと刺激する

同じ生物である事を否定したくなるような恐ろしさが二人を襲うのだ

カトリが傘をしっかりと握り一歩前に出る

「おっと、嫌われてしまったかしら?」

氷の壁がカトリの目の前で完成したのを見て、呑気に頬に手を当てた後逆の手でカトリは氷壁に軽く触れた

「なっ…結構頑張って作ったのに」

ヒビが壁全体に広がり、あっけなく崩れてしまった

「さっ、次はどうする?」

手を軽く叩くカトリを後目に、ケイトがテルを担ぎ上げ、二人は廊下に飛び出た、よく見ればケイト達が初めに通った廊下である、急いで来た道を戻り、出口を見つける

「そっちはダメよ、ほら奥に進んでちょうだい?」

突然背後から突風が巻き起こり、出口の扉が瓦礫で埋まってしまう

「明らかに誘導されてるし…」

しかし二人には奥に進む以外の道がない

「ツムギ頼めるか?」

「当然、お前はソレを担いで走ることだけ考えるのだ!」

ツムギは力強い返事を返し、廊下を凍らせる

カトリの足が凍りつき、動きが止まった

「ふーん…報告より出力が上がってる、まぁ…残念だけれど小細工の域を出ないわね」

カトリの周りに突風が吹き荒れ氷は全て粉々になってしまった

「終わりじゃないぞ!」

凍りついた足でカトリを蹴り飛ばし、距離がようやく開く

「言ったでしょう?小細工の域を出ないって」

「!!ツムギ」

思わず少女の名を叫んだ

強い突風がケイトの頬を掠め、片方の壁がえぐれていた

何とかツムギを押し倒し、何とか避ける事ができた

ケイトはホッと息を吐いた

「ーーーーーー!!!!!」

何かを言われた

なんと言われた?

瞬きをする

何故か動作がぎこちない

脳がようやく少女のセリフを反芻する


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー避けろ!






















「……ッ!?あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!?」

ケイトが痛みで絶叫する

抱えてたテルが地にぶつかる

違う!留意するべきは己の足では無い

「!!ツ……ムギ……ぃ」

心の底からの心配?

自らの保身と罪悪感?

重要な事が

些末な心配が

痛い

大切なモノが

痛い痛い

どうでも良いヒトが

もう失いたくないと思った事が

もう失えないと誓った事が

痛みに簡単に変わって行く

痛い痛い痛い

何も触れていないのに、何か大きな力に何度も肉を抉られ続けるような感覚

思考は簡単に単純化していく

痛い

「ほら、足が飛んだくらいで喚かないで、ほーら、痛く無ーい痛く無ーい」

いつの間にか近ずいていたカトリがケイトの消し飛んだ足の付け根を、ケイトの絶叫をBGMに、あやす様に撫でていた

痛い

「離……れッろ!」

全身がズタズタに切り裂かれ、血に染まり、肌の色が見えなくなってしまった、何とか少女とわかる少女が何とかケイトの前に立ち、吠える

「健気なのね、素敵よ」

「ンッ!」

氷塊を作り、何とかカトリを退かせるがケイトは今だ女の腕の中である

「返…せ!かえせ……!カッ…エセ!!!」

何度も畳み掛けるように、

作り出し、飛ばし、凍り、凍らせ、切り刻み、崩れ崩れ崩れ崩れ崩れ崩れ崩れ崩れ崩れ崩れ崩れ崩れ崩れ崩れ崩れ崩れ崩れ崩れ、崩され崩され崩され崩され崩され崩され

「んー……?返すわよ、ちょっと私に付き合ってくれたらねぇ…」

「ッ……!!」

ソレは口に運ばれる、今だ悶え、苦しむ友人に

ソレは虫だった


喉を通る不快感

痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い

未だ骨の髄までえぐり取られるような痛みに不快感が混じる

痛い痛い痛い痛い痛い

痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い

「……へぇ…キチンと抑え込めてる……」

過剰なストレスで気を失ったケイトを見つめ、カトリは呟く

「ゲホッ……おま…え、何……食わせて」

臓器にまで届くほど深い傷を抑え、悲鳴をあげる全身の臓器を黙らせながら、ツムギは問いかける

「んー?ちょっと可哀想かなーって思ったから」

「そんなこと聞いてない!……がぼっ!」

声を張ることすらままならず、血が溢れて来る

それすら無視して怒りをぶつける

「……ダメよ?息がしずらいでしょう?肺に血が溜まってるもの、それに、ただでさえ低い体温をこれ以上下げたら、さすがに低体温症になるわよ?」

「!」

「気づいてないとでも思ったの?…氷結病、だったかしら?私は君たちと違って専門家って訳じゃないから、正確な症状はあやふやだけれど、君、感覚がほとんど死んでるんじゃない?」

「……どっ…じで……ゲボッ」

「んー?勘?動きがちょっと鈍いなーと思っただけ」

感覚が鈍くなったのは、ここ数日の話ではない、氷結病患者になったその瞬間から刻一刻と感覚は消えていった、それどころか異能を行使する度に、ツムギの感覚の喪失はより深刻になって行った、けれどツムギには、自分の体に慣れきり、一般人と変わらない振る舞いができているという自信があった

それでもバレたのだ

思わず頬が固くなり、顔周りの傷口がさらに痛む

「!ッ……」

「あらら、用心深いのね」

カトリは突如牙を剥いた氷塊に拘束され地面に縛り付けられた

ご丁寧に掌を完璧に凍らせ、何重にも重ねられていた

「さすがに、これを壊すのは気が引けるわね」

カトリの視界から消えた少女のことを思い、そうつぶやく

だって、もう少女は限界なのだ、今すぐ思考の波にされるがまま、意識を飛ばしたいだろうに、それに耐えて少年を助ける為に、限界を超えて異能を行使したのだ

これを簡単に壊しては流石に人の心がないだろう


氷塊の裏、カトリの死角で倒れ込んだツムギは地面を這いつくばり、ケイトを引きずりながら前に進む

地面に傷口が擦れ、進む度に傷口が抉られる

必死に前に手を伸ばす、地面に爪をたてすぎて、爪が全て剥がれてしまった

それでも進む、ケイトの方は消して見ない

少年の足の付け根から零れる血とそれを抉る地を見れば進めなくなる

ほとんど機能しなくなった視界の端

あぁ、忘れていた、これも連れていかなければ

二人を引きずり、己が身を引きずり奥へ、奥へ

奥へ

奥へ

奥へ

奥へ
























頭が痛い、舌にピリピリとした感覚が伝わる

痛み、どこから、痛い、そっか足

足、足、足、足……

「足!?」

「おー、生えてる生えてる」

軽薄な赤毛が視界に飛び込んで来る

知らない部屋、かすかに耳を打つ騒音で、今だ天空カジノの中である事を理解する

「ミズキッ……?……ツムギ!ツムギは!……死んで……」

体がまた縮んでしまってはいるものの、ひとまず足があるのに胸を撫で下ろしたのもつかの間

部屋にいない少女を思い浮かべた

思わず目の前にいるミズキに縋り付く

「…落ち着けよ…ツムギは…………平気だ、処置は終わらせた、それからモンステラのガキも一応拾っておいた」

「そっ……か、良かった……」

良かった?

真っ先に保身に走ったお前が?

冷ややかな声に、一気に血の気が引く

「!……ケイト!!」

ミズキの静止を振り切りいきなり立ち上がり、部屋を飛び出す

縮んでいつもと勝手の違う手足を一心不乱に振るい、目につくドアを次々と開け放つ

ハズレ


ハズレ


ハズレ


ハズレ


ハズレ


ハズレ


七つ目のドア

ようやく見つける

真っ白なシーツに横たわり、弱々しい呼吸が繰り返される

消毒液と、軟膏の匂い

それら全て、自分の予想した通りだった

全身を包帯やらなんやらで巻かれ、顔どころか素肌すら見えないしかし、確信してしまう

「ツムギ……」

「寝てろケイト」

それだけ言ってケイトの腕をミズキは掴んだ

「……」

ケイトを引きずろうとするミズキの腕を掴む

「なんで隠した」

「……」

「応えろよ!!」

ただ何も伝えずにいるミズキに対して、静かに睨みつける

「お前に、この先に関わらせる気は無い、お前らを危険に晒したことは謝罪する」

「おい!」

振り返らないミズキをもう一度呼び止める

ミズキは止まらない、部屋のドアノブに手をかける

「そんな言い方する必要はないだろう?」

ミズキの真横、いつの間に居たソレがミズキを制止した

白と見紛う程の薄い金色の髪、紫黄水晶を想起させる左右で別々の色合いを持った瞳がじっと、動かずミズキの横でケイトを見据えていた

「やぁ、少年、目覚めたようで安心したよ、僕のカトリは少しズレていてね、君には少し酷なことをしたと、反省していたよ」

ケイトのすぐ近くにあった椅子に座り、足を組みながら男は言った

「あんた……」

「察しがいいね、流石といったところだ」

男が横目にその場で固まったままでいるミズキを見る

底知れない圧を発するミズキに肩を竦め、男はケイトに向き直った

「僕が地桜連合のボス、芝桜 ルイ、どうぞよろしく」

こちらの反応を見て、微笑みながら挨拶をする

この男こそが、今回の目的、芝桜ルイなのだ

「ルイ」

「いいじゃないか、仲間はずれは無粋だろう?」

ミズキは聞いた事が無いほど低い声でルイの名前を呼んだ、それを宥めるようにルイは口を挟む

溜息を着いた後ミズキは何も言わずに一人で部屋を出て行った

「やれやれ、思いのほか大切にされているらしい、さて、少年、僕とゲームをしようか」

「……ゲーム?」

「そっ、興味、あるだろ?」


ーー大広間ーー

誰も何も話さない気まずい雰囲気に、ケイトはずっと床を睨んでいた

ルイが椅子に座るまでソファに座る大人達に気づかないほどに気分は落ち込んでいた

四人、同じ机を囲み、四者四様それぞれ自由に座っていた

共通していると言えば、全員何も言わないことだろう

「さて、全員集まったね……ほら拗ねてないでもうちょっと楽しそうな顔してくれてもいいんじゃないかい?ミズキ」

足を膝の上に乗せ、肘置きに肘をつき、支配者の名に相応しい、大仰な態度で話すのはルイだった

「…………本題」

足を組み、目も合わせずに爪で、中指にはめられた指輪を叩き、不機嫌そうな声で急かすのはミズキだ

「はぁ……全く…まっ、ゲームと言っても単純さ、ただこの天空カジノにいる怪人を見つけて駆除すればいいってだけ、最初に怪人を駆除できた奴が勝ち、簡単だろ?」

「待て、天空カジノに怪人が居ると言うのが事実であれば、これは立派な違犯行為として、対奇課に尻尾を掴まさせる訳だが?」

律儀に背筋を伸ばし、増える眉間の皺を揉みながら言うのはアサヒだった

「問題ないでしょう、連合の理念らしく、勝てば全ての問題が片付く」

足を大きく開きその足の間で自身の手を握りながら話すのは

「石南 ヒビキ……」

「おや、覚えていてくれたんですね、光栄です」

瑠璃の瞳を細めケイトに笑いかける

コツコツと指輪を爪で叩く音が大きくなる

「……一応聞くぞ、なんでコイツがいる」

「当然、こちらが一人に対して、そちらが二人なのはフェアじゃないだろ?ゲームは公平じゃないとね」

「よく言う」

アサヒが悪態をつく様子に肩を竦め話を続ける

「まぁ、フェアじゃなくても勝てばいいのさ、勝てば相手二人に情報を吐かせるも汚れ仕事をさせるも、生かすも殺すも自由、ルールも単純」

「こちらが、乗らないことは考えないのだな」

アサヒが忌々しげに言い放つ

「君たちが乗らない理由がない、メリットがない、……僕の前で、隠し事ができないのは知ってるだろう?」

根拠の無い自信では無い、脳みその奥の奥まで常に自分を監視されているような違和感

選択肢を丁寧に一個一個消されていく

後には引けない

「……麗人」

アサヒがボソッと何かをつぶやく

思い当たる節がある様な物言いを問い詰める余裕すらケイトにはなかった

「どうするミズキ、対奇課は参加するつもりだが」

「さもありなん、勝つ以外でコイツらが口割るわきゃねぇ、概ね同意してやるよ、ただ、灯籠院からケイトは参加させない、この発言を覆そうとも思わない、それだけ付け加えさせろ」

「……」

思わず掌を強く握り込む

「……人員に関してはそちらの自由だけれど、意外ですね、君はもっと自分の駒を上手く使うと思っていたんだけれど」

言葉とは裏腹に全く意外ではないと、ヒビキの顔には書いてあった

「笑わせんな、俺は俺である前に医者だそこんところ勘違いすんなよ」

相変わらず一切目を合わせず、ミズキは立ち上がり、白衣を羽織直す

「おい!俺の事無視してんじゃねぇ!俺はもう大丈夫だ……だから」

ようやく喉を通った台詞でミズキに詰め寄る

「……はぁ…足でまといだ、そんな体で何が出来る」

ミズキの言う通り、ケイトの体は老若病の影響で、完璧に縮んでしまっている、疲労が相当溜まっているのか、戻る気配すらない

ふと、ツムギの姿が頭を掠める

痛々しい血の痕

「ッ……」

「そういうことだ、口説くて悪いが、患者らしく寝てろ」

ヒラヒラと頭の上で掌を揺らしながら大広間を後にしようとするミズキにケイトは一切の反論が喉を通らなかった

頭から冷ややかな声が響く

やめておけ、自分の身すら守れないのに、他人の、ましてやあの天才の役に立つだなんて笑わせるな

お前のせいでツムギは危険に晒されたのだ

良くてお荷物、最悪……

最悪

思考の渦に囚われケイトは沈んで行く

最悪の思考が反芻する

「なら、僕らが使わせて貰ってもいいわけだ」

「は?」

ルイは立ち上がり、嬉々とした様相でケイトの手を取った

ミズキが横目にこちらを初めて捉えた

表情は未だよく見えない、見たいとも思えない

「どうしたんだい?ミズキ?君は灯籠院彼を駒として使わないと言ったんだ、捨てた駒を誰が使ったって構わないだろう?」

「……」

沈黙、誰も一切動くことはしない

それでも沈黙はいずれ破られる

「おや?まさか君が自分の発言を取りやめにするなんて無いでしょう?テルが使えなくなってしまった今、人員をかすくらいの器量はあるでしょう?」

ヒビキは座ったまま、出された茶に手をつけながら言った

「………………当然、撤回はしない、使いたきゃ使え」

目線を外し、何事も無かったかのように部屋を後にした

「……いいのかよ」

「それは君は暗に、俺は役に立たないオタンコナスですって言いたいってことかい?」

「……違う…そうじゃない、あぁ、違ぇよ」

何度も自分自身のセリフを咀嚼する

自分の本心すらままならない

足でまとい……

「…ほら、ゲームなんだろ?、俺普通にお前の妨害するぞ?」

「あぁ、なるほど」

咄嗟に出た言い訳を聞き、ルイは少しケイトの前に進んだ

「大歓迎だよ」

振り返り、大仰に両手を開きながら言った

「はっ……」

反論か、嘲笑か、なんとするにも中途半端な音が零れる

「妨害、内通、利敵、大いに結構!それ含めて、僕は君に賭けたんだ」

「お前……さっきから何言って」

疑問を塞ぐようにルイの顔が近ずけられる

「君はこのゲームをより楽しいものにしてくれる、それ以上の価値は、僕の前では不必要さ」

「……」

紫黄水晶の瞳がケイトを反射し、思考が上手くまとまらなくなる

「うん、それでいい、気楽に楽しもうぜ?少年」

宴の準備は整った

ルイは空高く手を掲げて見せた

お疲れ様です七月です

謝罪します、更新頻度が著しく下がります、めちゃくちゃ不定期になっちゃいます、ごめんなさい、許してください

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