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【お休み中】創造前夜 ~The Eve of Creation~  作者: 桂 移作
第一章 エッジ・ザ・ドッパー編
7/16

第6話 誰でもできる、簡単なオシゴトです

今日はもうちょいでます。だします。

 


 おはようみんな、俺だ。

 今俺は、この国の王女をお姫様抱っこして、王都の建物の屋根の上を走っている。

 まあこれがエスコートってやつだ。

 多分。


 さっき部屋から彼女が慌てて出て行ったとき、そういえばあの子王女だな~と思い、一応追いかけておいて正解だった。


 なんか急にかがんだと思ったら、続々人が集まってきて、しまいには怪しい奴らに襲われそうになっていた。

 だから、ちょこっとカッコつけて回収したってわけだ。


「も・・・もう少しゆっくりでもいいじゃない!あ・・・危ないわ!!」


 俺の手の中で王女が騒ぐ。

 この子完全に化けの皮が剝がれてるが本人は気づいているだろうか。


「死ぬぅぅぅ!」


 依然として彼女は絶叫をし続けた。

 しょうがないとは思いつつも、善意でやっていることでここまで嫌がられると傷つく。


 ちょっと悲しいので、もう一段階スピードを上げる。(鬼畜)

 意志の力をほぼフルで投入する。


「絶対!今!はやっ!・・・くなった!!」


 バレた。普通に。


「気のせいでしょう♪」


 励ましながら走り続け、ついに王宮にたどり着く。

 正門からいくと、見知らぬ男が王女をお姫抱っこして連れてきたとかいう軽く大問題になることになるので、大ジャンプを加えて、近くのベランダに着地。


「王女様、お疲れさまでした。次からは外出の時は必ず護衛をつけることを推奨しますよ。」


 といって彼女を降ろす。

 彼女はフラフラしながら立ち、


「一応・・・ありがとう、助かったわ・・・。あと、アナタが私に敬語を使ってくれるのは嬉しいけど、”王女様”はやめて。」


 と、なんか唐突にデレた。

 いや、デレたか?


「了解です、クレア様。ではまたそのうち王宮内で会いましょう。」

 

 とりあえずこう言って、その場を去った。

 長居できる場所でもなかったし。





 そのあと、部屋に戻ってから一番大事なことを思い出した。


「そういえば、エミーのこと聞き忘れた~~!!」


 悲しみの叫び声が王都中にこだました。


___________________________________



~次の日~


 今日は俺の初出勤日だった。


 思えば生まれて初めて、他人に雇われて働く環境にきた。

 仕事内容は何一つわからないが、とりえず形からと家から持ってきたなりきり服セットから、執事服を着ておいた。

 ちなみに昨日の聖騎士セットもここから。


 そして鏡でいつも通りのイケメンであると確認すると、⇐この時間いる?

家を出る。

 

 通勤方法は昨日と同じ、屋根の上を飛び回りながら走る。

 結局これが一番早い。

 下よりすいてるし。


 と、思ったが、遠くに自分と同じように屋根の上を走っている奴がいた。

 え、なにキモ。

 屋根の上を走るとか。

 ありえね~。・・・。

 

 3分もしないうちに王宮についた。

 正門から中に入り、待っていると王宮最高執事のジェフという男が仕事の説明をしにきてくれた。

 そして、


「え~まず。王宮に執事見習いという仕事はございません。」


 と一言目で言われた。

 終わった。

 まさかの仕事名が違うらしい。


「しかし、国王様が命じられた仕事ですので・・・特に何もしなくて良いですが、一応勤務時間中は王宮内にいてください。」


 と二言目は言われた。

 つまり王は適当な理由をこじつけて、ほとんど城の中にいる専属ボーディーガードとして使おうということなのだろう。

 王のヤツ、薄いくせに変にしっかりしてやがる。




 そこからの日々は本当になにもせず、魔法習得を目指し続けた。

 王宮の本を読んだり、クレアさんに教えてもらったり、王宮所属の魔法師に話を聞いたりと、何もしなくて良いという利点を最大限にいかし常に魔法に関して何かしらを学び続けた。

 

 


 2か月がたった。

 ここまでやって分かったことには、どうやら俺には魔法の才能がないらしく、魔力がそもそもほぼないらしい。

 気づくのが遅い。

 なまじ期待してただけにがっかりしつつも、今は”意志の力”を使うことで強化して何とか戦闘で使えるようにしようと頑張っている。

 


 そういえば、エミーについて、先日クレアに教えてもらった。

 エミーは俺が王都に行ってからというもの、冒険者になるための努力をずっとしているらしい。

 さらにその真の理由とは”俺と王都で再開するため”らしい。


 ホントにけなげで泣けてくる。

 今すぐ会いたい。


 なのに俺がしていることと言えば、変わりがきく仕事 Lv.100、無職である。

 ちょっと恥ずかしいが、”王の頼みでやっている”という切り札があるので自信を持ってどっしり構えている。

 自信を持った無職ってなんだよ。

 無職が自信持ったらもう終わりじゃねえか。



 最近はよくクレアと話している。

 まあ、王宮の執事はみんな忙しいし、国王もなんだかんだ忙しい。

 この城で暇を持て余しているのは彼女と俺しかいなかったのだ。


 もちろん彼女は、俺を迎えに来たときのような仕事が二週間に数回程度あるが、基本は暇だ。


 そして、


「レックス、お茶を飲みましょう。」


「レックス、これはどういう意味?」


 などといろいろ誘ってくれたり聞いてくれたりするので、一緒にいて退屈しない。

 多分近い年齢層で気軽に話しかけられる人が今までいなかったのだろう。

 聞かれたら、


「これはですね・・・」


 と答えるようにしている。


 よく、妹がいたらこんな感じなんだろうか・・・。とかこぼして怒られる。


 いや結構そんなかんじなんだって。

 妹いないけど。


「ちょっとレックス!聞いてるわけ!それでさー」


 

 今日も今日とて王女様はお喋りがお好き。





 どうも。

 土曜日だからPV増えるんじゃないかという安直な思考回路の持ち主、桂移作です。

 単純すぎない?

 まあ、たくさんの人に読んでいただけると嬉しいです。


 最近はサ〇ナクションを聞きながら書いてます。(そんなこと聞いてない)

 そのうち、「このまま君を連れて行くよ。」とかキャラが言い出したらこれか、と思ってください。

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