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【お休み中】創造前夜 ~The Eve of Creation~  作者: 桂 移作
第一章 エッジ・ザ・ドッパー編
2/16

第1話 望まれた人間

 投稿遅くなって申し訳ありません。

神界の出来事から、人界時間で200日後ーーー。


___________________________



 俺の名はレックス。今年19歳だ。

 

 誰が見てもわかるとは思うが、俺は

・容姿端麗 ⇐どちらかといえば悪役が似合う顔

・高身長 ⇐176程度

・おまけに秀才 ⇐これはガチ

・さらに高い戦闘技術 ⇐これもガチ

     という高スペックを持ち合わせている。

 

 ここまで揃えば、かの女神メアといえど無視できない存在といえよう。

 とまあ、ここまで聞いた人間であれば俺に興味を持ったと思う。


 え?持ってない?・・マジで?


 ・・・冗談はほどほどに、今度は過去についてでも教えてやろう。

 俺は、王都を追い出された下級貴族シュミット家の長男だ。

 理由は何だったけか・・多分先代がカッコよすぎたのだろう。(ドヤ顔)

 

 ・・・・・・まあいい。

 

 なんやかんやで王都を追い出された我らシュミット家は、その後農村で農民と穏やかに暮らし・・・とはなったが(なったんかい)、いつか我が家からもう一度王都へ人間を輩出したいと願って何代にも渡って妻にハッスル(笑)し続けたらしい。

 

 そして王都を追放されて約80年。5代くらいの当主のすえに産まれたのがこの俺だ。・・・ハッスルしすぎだろ、いくらなんでも。


 俺にとってこの世界はヌルゲーだ。

 この世界で産まれる子供の能力は、両親の能力、突然変異的な+α、そして親のこめた”意志・感情の力”が大きく影響する。

 

 この”意志・感情の力”というヤツがすさまじく、この世界ではこの力が全ての土台だ。


 ”意志の力”は

「自分ならやれる!」

 などの自負が中心となる。

 これの面白いところは、”勝てる”という絶対の自信があれば、小柄な青年でも大柄な男を倒せてしまうというところだ。

 

 ”感情の力”は謎が多く、強い感情を貯めることでなにかを可能にするという抽象的なことしか分からない。


 2つの力に共通して言えることは、”絶対”を変える力を持っているということだ。


 そして我がシュミット家は、この2つ、特に”意志の力”が強い一族だ。おまけに先代から続く、


「我々の一族には、魔王すら倒す力がある!いつか返り咲く!」


 という過度な期待というか想念というかが、俺に力を与えている。

 正直、王都の軍でも俺より”意志・感情の力”が強いやつは、いて1人だろう。

 

 だがしかし、

 俺はとくに権力に対して興味がない。


 力を得ろ、権力を得ろ、と言われすぎて、逆に熱が冷めた感じだ。


 もちろん自分の守れる範囲で人が苦しんだり、死んだりすることは許せないから、戦闘に関しては必要以上に頑張った。

 そして、もう十分に強くなった。

 


 もう、農村の中でフラグがビンビンに立ってる女の子とゴールインでいいーーー。

 王都なんて、行かなくても大丈夫ーーーー。



 ・・・なんて、考えていた。昨日までは。前夜までではない。



「レックス・シュミットさん。あなたは、王都の宮殿での勤務が決定いたしました。いまからおつれいたします。」


 そして今日、ある程度は大きいシュミット家豪邸の前に、こんなん馬がひけてたまるかってくらいの馬車がきて、容姿が無駄に整っているくせして、なんかエラソーな女が現れ、いきなりこんなことをぬかしやがった。


さらにタチが悪いのが、言われた瞬間に、


「あらま~!レックスちゃん、頑張って!!」


「よくやったレックス!!我が家の誇りだ!!!」


 と、絶対に何かを知っているというか首謀者にしか見えない両親が、息子ともしかしたら一生の別れかもしれないというのに何も迷わず、事前に用意していなければまずないような大量の荷物をおしつけ、にこにこ笑って門の前に立ちだしたことだ。


 どうやらもう逃げ道はないらしい。

 たかが2分程度で俺の周りは完全に埋められてしまった。



 だからこそ、言ってみたかったこの言葉を不愛想女に言った。



「いや、俺は王都にいく気はない。けど、俺に勝てたらいいぜ。」と。


 空気が凍った。

 女の眉間が動いた。父さんもだ。母さんはなにを言っているのか理解していないように見える。

 静寂の中、俺は一人ウォームアップを始めた。


 俺の戦闘技術はどこまで通じるだろうか。

 やってやる、そう誓って俺は長年構え続けた格闘技の構えをとり、静寂を破るようにこう唱える。

 

「意志の力1st、”身体強化”、発動!」


 赤色の光が俺をつつんで戦闘形態に入る。

 両親が何か言おうとしているのは分かったが気にしない。


「身体強化魔法・・・?見たことのないかかりかた・・・。」


 落ち着いて女は呟き、杖を取り出した。

 

 杖・・・杖?


 この女は見るからにひ弱だ。

 腕力があるようには見えない。

 どうせ細剣でも使ってくるだろうと思っていた。

 杖などでは、殴っても決定打にはならないだろう。

 こっちが素手だからなめられているのだろうか。


「なめるな!」


 叫んでまっすぐ突進する。シュミット家として、なめられているのを見過ごすことはできなかった。


「あーあ。あいつ王女様に正面から行ったぜw」


 女の奥にいる、護衛兵士らしき男が言った。周りも少し苦笑していた。


 そしてレックスは、信じられないものを見た。

 杖を中心としてどこからか水が集まってきた。

 それは美しく、壮大で、しかしどこか儚げまで感じた。


 驚き歩みを止めた瞬間、顔面に水球が打ち込まれ、レックスは気絶してしまった。



 


 


 


 

 

 



 前書きにも書きましたが投稿遅くなり申し訳ないです。(できれば毎日18時くらいに投稿したいと思います。)


補足:レックスは実は寡黙かつ慎重派な性格ですが、"意志が自分の力を高め

   る”と知っているためにわざとらしくうるさく振舞っています。あと転

   生者っぽいですが転生者ではないです。

 

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