表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

データ供養所

【会話劇仕立て】世界の覇者 異世界チート転生者の育て方

作者: まい

 いやー、やれやれ系チーレム主人公は最強だなー(棒)

『ありがとうございます! 貴方のお陰で私の世界は救われました!』


『そうか。 少し疲れたな』


『本当にありがとうございます。 貴方様の歩んだ道はとても大変だった事でしょう。

 …………それで、その。 世界の危機をスマートに救って下さる貴方を、私は好きになってしまいまして』


『俺様の嫁にして欲しいと願う女は、お前で20人目か。 やれやれ、これだけ嫁がいると男は大変だ』


『あ……ありがとうございます! これからは私と夫婦(めおと)神となって、この世界を守っていきましょう!』


『片手間でな。 やれやれ、スローライフを望んでいたのに、転生してくれた恩で女神に言われるまま行動してたら、神になっちまった』


『うふふふ♪』




〜〜〜〜〜〜




「どうだ? “超兵5号”の進捗は」


「順調です。 計画を提案した管理AIが作った台本通りで、現在は8割進行しています」


「残り2割か……計画スケジュールにも遅延は見られないし、優秀だな」


「ですよね。 このAIを創作目的で利用すれば、かなり面白い物語作品を作ってくれるかも知れません」


「違う利用の仕方にしても、なぜ物語作品の創作なんだ?」


「だって、今回僕が5号の担当になるに当たって今までの超兵の育成データを見ましたけど、超兵が辿った道筋が読み物として凄く面白くて……」


「面白い? どれもほぼ同じ道筋で特徴なんて無かったぞ?」


「いえ、それは超兵として他世界の神から譲ってもらって、徴兵したヤツの性格がほぼ同じだからですよ」


「?? どういうことだ? 性格が同じなら同じになるんだろ?」


「まあそうですね。 特别強いチカラを得て成り上がる途中で沢山の異性にモテてハーレム形成」


「そう。 超兵はみんなその道筋だな」


「そう言った願望を、心の底から持っている人物を向こうの神がくれますからね」


「うむ。 それで自己顕示欲も強くて自分優先の性格だから、向こうの世界で大成してしまうと社会的混乱を起こすリスクがあって、それを取り除く意味で寄こしてくれたってのが経緯だな」


「でもそこ以外の性格が違うんですよ」


「……よく分からないな」


「現在の5号と2号の違いなら分かるんじゃないですか?」


「う〜ん。 …………いまサラッと見直しても分からんぞ?」


「2号の方は“オレがオレが”な性格で、積極的に動き回ってトラブルに首を突っ込むタイプなんです」


「へぇ」


「それで5号は“やれやれ”とか言って、飛び込んできたトラブルに嫌嫌面倒臭そうに対処するタイプ」


「……ん?」


「わかりました? 同じ願望持ちでも、同じ道筋でも、性格が違うと過程が変わるんです。 いや、変えなきゃいけないんです」


「なるほど?」


「2号は自身のやったことを言って回り、5号は周りの者が何も言わないと動かないし、5号を褒めてやらないと不機嫌になったりする構ってちゃん」


「5号の面倒さが酷いな」


「でも2号より頭の回転が良いみたいで、動けば知識を上手く使って理想に近い解決をしてくれる位には、有能っぽいんですけどね」


「そうなのか」


「そうです。 そしてその違いをこのAIは把握してて、超兵が気持ちよく動けるように細かく調整してくれるんです」


「面倒なことをしているんだな……だが、この超兵育成機に入れる時に植え付ける、基礎教養知識セットを使いこなす5号の頭脳は見事か」


「そうですね。 その頭脳で、今度の多世界間超兵バトルトーナメントを勝ち上がれれば良いですが」


「ウチの世界に割り当てられた超兵候補は、どれもスペックは良いのになんで勝てないんだろうなぁ」


「使っている育成機なんかの設備も育成に使うAIも、全世界で共通なんですけどね。 でもなぜかいつも、油断があったり隙を突かれたりして負けちゃうんですよね」


「これでまた勝てなかったら、上司にどれだけ怒られる事か……」


「今までの超兵育成担当みたく、左遷(させん)ですかね?」


「それだけで済めばいいなぁ」


「済むんじゃないんですか?」


「5号だぞ? つまり既に4体作って失敗だったんだぞ?

 つまり5度目なら区切りの付けやすい数字だし、きっかけとして何か追加でやりやすいだろ?」


「つまり5周年記念イベントみたいに、なにか派手な事が起きるかもですか?」


「そう。 それはどうしても避けたい」


「本当に。 そうなりたくないですよねぇ」











蛇足



やれやれ系チーレム主人公


 実質的な実験動物。 


 超兵育成機に入れられ、架空の世界で架空の世界を救う救世主となる。


 扱いはぶっちゃけ、モ○スターファームのモンスター同然。


 特殊な能力を与えられ、育成機の管理AIによって飼育・育成されて、別世界で育てられた超兵達と戦う“遊び”の駒。


 別世界の超兵の事は、異世界からのチート能力持ち侵略者(及び侵略準備をしている悪者)として刷り込まれ、命が尽きるまで戦わされる。


 各世界へ送り込まれるのは大体が居てもいなくても良い様な、取るに足らない人物だったり、成長すると世界にとって害悪になりそうな難あり人物がメインなので抜き取られる世界は黙認している状態。





管理AI


 超兵育成の為に組まれた()工無能。


 決まったプログラム通りに動くだけなので、感情は無い。


 育成機の中の架空の世界の最上級神。


 ヒロイン化する世界の神と名乗る女神は、単なる超兵へのエサである。





架空の世界を見ていた2人


 先輩後輩関係にある研究者。


 ぶっちゃけ超兵育成は事実上の懲罰人事。


 この2人は何をやらかしたのだろうか?(未設定なので投げっぱなし)





超兵トーナメント


 絶対的な神による、暇つぶしのイベント。


 その神に従う各世界と神々は、その神によって振り回されて、とても苦労している……らしい。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] なろう系の裏話。 なぜ彼らは転生・転移するのか? それはお姫様の願いで呼び出されたからでも神様の手違いでの死亡したからでもなく、ただの実験やお遊びだった。 普通にこっちのほうが納得できま…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ