何かいい手があるのか?
困ったぞ。どうする?
俺たちは大通りの大木の陰で、ああでもないこうでもない、と侵入策を練る。だが一向に良いアイデアが浮かばない。
「あれれ、こんにちは。お久しぶりですなあ!」
明るい声が突然聞こえた。
振り返ると、そこには以前、急病で死にかけていたところを救った太っちょの旅の商人がいた。後ろには小間使いの人々や、大きな荷車の隊列が停車している。荷車には、大量の商品らしきものが満載してあった。
「アルゼンです! いやあ、お懐かしい。あの時は本当にありがとうございました。おかげさまで命拾いをしましたよ。はっはっは」
アルゼンは陽気な笑い声を上げた。だが、俺たち四人が浮かない顔をしているので、何かを察したようだった。
「んん? どうしました? なにやらお困りごとですか? あれ? 今日はあの女性、ええと、そうそう、フォルさんはいないのですか?」
「それが、じつは……」
ラルと俺はアルゼンに、これまでの経緯を話した。
「ふうむ、なるほど。分かりました。フォルさんが誘拐された。取り戻したいが、城門を通過できそうにない、と」
しばらくアルゼンは考え込んでいたが、ポンと手を打った。
「いいでしょう。命の恩人のピンチなのですから、協力しましょう」
「え? 何かいい手があるのか?」
俺は思わず前のめりになる。
「ええ。ありますとも。私どもはこれから城内に商品の納品に行くところです。通行証も持っております。あなた方四人が後ろの荷車の荷物の中に潜り込み、隠れれば、城内への侵入は可能かと思います」
荷車の上には、人が入れそうな大きな壺や、木箱なども積んである。
「それだ! ありがとう、アルゼン!」
俺は歓喜の声を上げる。
でもラルは慎重だった。
「だが、そんなことをすれば、アルゼンたちに迷惑がかかるぞ」
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