なんでこんなことに気が付かなったんだろう
速く走りすぎて、こけそうになる。でも、止まれない。
「俺がこれから、この異世界で幸せになるには何が必要なのか? 環境か? 仲間か? それは大きな要素だろう。でも、それだけじゃ、幸せになれないはずだ!」
足がもつれる。でも走る。この心のエネルギーを発散させたい。そうしないと、俺が爆発しそうだ。
「俺が、この異世界で幸せになる方法! それは! 俺が幸せに気が付くことだ! なぜなら、世界は俺の解釈次第だから! どんな不幸だった俺にだって、小さな幸せが必ずあるはずだ!」
そうだ。なんでこんなことに気が付かなったんだろう。
朝、起きれた。幸運だ。
朝になって、目が覚めない人だっている。そのまま永眠してしまう人もいる。
ご飯が食べれた。幸せだ。
ご飯が満足に食べられない人だっている。
いま、こうやって走れる。
足が不自由な人だっている。もしその人が、俺みたいに走れたら、きっと幸せだろう。
体調がいい。
ずっと病気をしている人だっている。その人たちは、いつも健康を願っているだろう。俺は、それをすでに持っているんだ。
俺は大借金がある。
でも、生きている。生きているだけで素晴らしい。死んでしまっては、何もできない。何もしてあげられないからだ。
俺の日常は、本当は幸せにあふれていたんだ。
俺を不幸な世界に閉じ込めていたのは、俺なんだ。俺だったんだ。
俺は走り続けた。カフェ・グッドラックが見えてきた!
店の前にはフォルが立っている。走ってくる俺に気がついている。
「フォル! 分かったぞ! 分かったんだ!」
俺の笑顔を見て、フォルは、なんだか嬉しそうに微笑んでいる。
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