ムラムラするな、ジンゴロウ!
フォルがお使いから帰ってきた。
「やっほー! ラルねえちゃん、遊びに来たよ!」
「来たよー!」
「ジンゴロウ! ちゃんと働いてる?」
声のする方を見ると、フォルの横に八百屋の三姉妹マイ・メイ・アイが立っていた。
「一言余計だっての! フォルが連れてきたのか?」
「うんっ、どうしても遊びに来た言っていうから、連れてきちゃった」
「そうか……まあ、適当に好きなもん食べてくれ……おーい、マッチョ、適当になんか出してー……」
「おうよ!」
厨房からマッチョの威勢のよい声がした。
三姉妹は俺のテーブルのイスにドカドカと座った。
「どしたの? ジンゴロウ君、なんだか元気ないよ?」
静かに座ったフォルが俺の顔を心配そうな表情で覗き込む。
「あー、この前フォルが言った『幸せか不幸かを決めるのは、自分自身の考え方なんだよ』っての、アレ! アレを考え始めたら、もやもやしちゃって……なんかなあ」
「「「ムラムラするな、ジンゴロウ!」」」
「もやもやだっつーの! このお子様が!」
「ふーん。じゃあ、ヒントだそっか」
「ヒント?」
俺がヘンテコな顔をしていると、フォルはラルが運んできてくれたコップの水を、少し飲んだ。
コップの水はちょうど半分、って感じになっている。
「ねえ、マイ・メイ・アイ? このコップの水の量について、どう思う?」
「んー? なに、フォルねぇちゃん。変な質問。キャハハ」
年長のマイの意見、じつに同感だ。変な質問だ。
「いいから、いいから、率直なご意見を、どうぞ」
「えー? まだ半分あるじゃん?」
とはマイの答え。
「何言ってんの? もう半分しかないよ?」
これはメイ。そしてアイは。
「ただの半分でしょ」
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