じつは少し前に、ちょっとだけ、オシッコも漏れた。
うーん、頼もしい。
マッチョもラルも、ヒミさんも、これなら大丈夫だ。うんうん。
え? 俺? 俺は何してるのかって?
いい質問ですね。
俺はカフェ・グッドラックの正面入り口で、片手にフライパンを持ったまま、仁王立ちをしている。
口元にはうっすらと笑みを浮かべ。
虫けらどもを見下すような、まなざしで。
そして、いかにも「ふふふ、この強い三人は俺の部下だぜ? 店長の俺は、その何倍もすげえ強いんだぜ? だから間違ってもこっち来るなよ?」的な強者感を必死で、出していた。
だって、俺にはフォルの言う通り、特技はない。
勢いでカッコいいこと言って出てきたものの、勝つ見込みはない! これっぽっちもね!
足元はさっきから、ガクガクブルブルだ。
じつは少し前に、ちょっとだけ、オシッコも漏れた。
あっ、いや、ホント、ちょっとだけだから!
俺の後ろの店内では、フォルがラッキーハッピーダンスを踊っている。
「でも……この調子で戦ってたら、ラッキーハッピーダンスの出番はないな」
マッチョとラルとヒミさんは、だいぶ疲れてきているようだが、もう残りの騎士は数名だ。
「ふははは! 勝ったな!」
俺は更なる強者感を出すために、腕組みをし、オシッコがちょっと漏れたまま、偉そうに笑ってみせた。
これで引き下がってくれたらいいのだけれど。っていうか、お願いです。もう帰ってください。
俺は、虫けらどもを見下すまなざしで、騎士隊隊長マルソンに視線を向けた。
「おのれ……、ここまで手ごわいとは……」
マルソン隊長が口を開いた。
「そうだろ? 手ごわいだろ? ね? だから、もう帰れ!」
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