「や、やーい、バ、バーカ、バーカ」 ……これじゃあ、ただのザコキャラだ。
「なんだと? おい、数えてみろ」
ゴデブリン大臣は、あごをクイッと動かし、部下にそう命じた。
手分けして数えていた部下たちが顔を上げた。
「ゴデブリン様、確かに二千万アカラ、ございます」
「むむぅ」
部下の一言に、ゴデブリン大臣はあからさまに不満の表情を浮かべた。
「「「おかあさーん」」」
フォルの後ろに隠れていたマイ、メイ、アイの三人が、母親に抱き着く。
「ああっ、おまえたち、いったいどうして」
母親の目からは大粒の涙が次々とこぼれ落ちてくる。
「分かったか! 分かったら、お金を持って、さっさと帰れ!」
ラルは勇ましいな。
「あ、その借用書はもらっておきますね」
フォルは素早く、ゴデブリン大臣の手に握られていた借用書を奪い取った。そしてビリビリと破く。
なんか、二人ともカッコいいな。俺も、何か、何か言わないと!
「や、やーい、バ、バーカ、バーカ」
……これじゃあ、ただのザコキャラだ。
「おのれ、おのれ、おのれ! 貴様ら! 余計なことをしおって! 覚えておれ! この代償は高くつくぞ!」
ゴデブリン大臣はそういうと、馬車に乗って帰っていった。
ちなみにカジノで増やしたお金の残り約1,200万アカラは、マイ、メイ、アイの母親にあげた。これだけあれば、生活再建に必要な数年分の生活費にはなるだろう。親子四人は、俺たちに何度もお礼を言って、笑顔で家に入っていった。
「ふう、依頼達成だな。フォルが幸運の女神さまで助かったよ」
ラルが俺とフォルの肩に手を置いた。
「うん、そうだね。よかった。報酬の三人の笑顔も見れたしね」
何そのカッコいいセリフ。俺もなんか言いたい。
「えーと、その、あの……」
「どうしたの? ジンゴロウ君」
「眼が泳いでいるぞ。大丈夫かジンゴロウ」
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