フォルは俺の後ろで、超久しぶりのラッキーハッピーダンスを踊っている
「はい、これでお客様の12連勝ですね♪ 掛け金の千アカラは、204万8千アカラになりました♪」
次の日の昼、俺・フォル・ラル・マイ、メイ、アイの六人はカジノでルーレット勝負をしていた。
ゲームの種類はレッド・ブラックだ。ルーレットの玉が赤・黒のどちらに落ちるかを当てる単純なゲーム。だがもらえるお金は、掛け金の倍々で増えていく。
ディーラーはヒミさん。ヒミさんの隣にはカジノの用心棒のマッチョもいる。
ヒミさんとマッチョは顔見知りだが、いまは話をするわけにはいかない。下手に話をして、何かあらぬ疑いをかけられては元も子もない。
ラルは不安そうなマイ、メイ、アイをしっかりと抱きかかえている。
フォルは俺の後ろで、超久しぶりのラッキーハッピーダンスを踊っている。
なんでもこのダンスは、困っている誰かのために踊るときにこそ、真の力が出るらしい。
その御利益のおかげか、大不幸男の俺なのに、勝ちっぱなしだ。正直、負ける気がしない。
◇
昨日、俺たちの経営する『カフェ・グッドラック』を訪れた幼い三姉妹マイ、メイ、アイの話を要約するとこういう感じだ。
「一カ月くらい前、召喚獣が暴れたでしょ? あれでうちのお店が壊されちゃったの」
「うん、八百屋さんだよ」
「それでね、うちのお店、ただでさえギリギリの経営だったでしょ? だからお母さん、うちにお金、ほとんどないって言ってた」
「お父さん? 二年前に死んじゃった」
「ごはんも買えなくなっちゃったの」
「だからお母さん、カジノでお金増やそうとしたの」
「でも、負けちゃったんだって」
「そしたら、カジノに来ていた、アカラ城のゴデブリン大臣っていう人がお母さんにお金を貸してくれたんだって」
「でも、そのお金もカジノでやっぱりなくなっちゃった」
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