はーい。私が幸運の女神のフォルでーす
だがダブル看板娘のフォルとラルの笑顔と愛嬌の良さで、徐々にリピーターと新規顧客が増えていった。
それに「この店でコーヒーを飲むと、運気が上がる」といううわさも町中に広がっているらしい。運気上昇目当ての客も増えてきた。
男性客の一部は、ラルのダイナマイトボディを拝見するためかもしれないが。
そんなこんなで、開店三週間で、正直、もうそろそろ三人で店を回すのも限界だ。
料理の下ごしらえは三人で行うものの、開店後は、接客は女子二人。調理は俺一人になってしまうからだ。
「あー、人手が欲しい!」
◇
ある日の夕方、客も全員帰ったので、そろそろ『カフェ・グッドラック』を閉めようということになった。
「あ、あのー、こちらに幸運の女神さまって、いますか?」
その時、入口の扉から、静かに三人の少女がお店に入ってきた。三人とも十歳未満に見える。
「はーい。私が幸運の女神のフォルでーす」
女神って、そんな軽いノリでいいのか? フォル。
フォルの軽いノリとは反対に、少女たちの表情は暗かった。
「どうしたの? もう暗くなるよ? おうちに帰らなくっていいの?」
フォルが膝を曲げ、こどもの目線で優しく語りかけた。
「あたしたちのお母さんを、助けてください! 女神様! お願いします!」
一番大きな少女は、そういうと、その場に泣き崩れた。
俺たち三人は、お互いに顔を見合わせた。これは、どうやらただ事ではなさそうだ。
よく見ると、少女たちの服はぼろぼろで、ほほもこけている。
俺たちは店の扉に「本日の営業は終了しました」と書いてある板をかけ、少女たちを店のテーブルに座らせた。
「あれ、こいつらどっかで見たこと、あるような……」
俺は三人の顔をまじまじと見つめた。どこで会ったんだったっけ?
ラルものぞき込む。
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