ヒューヒュー! いよっ、あついねー!
だって不幸の塊の俺がフォルと離れちゃったら、また不幸のどん底に叩き落されてしまうからな。
「ヒューヒュー! いよっ、あついねー!」
なぜかマッチョがちゃかしてくる。なんだろう。
「ジンゴロウ、自分が何を言っているのか、わかっているのか?」
なんだ? ラルまで。
「わかってるって、俺は決めたんだ。フォルと生きていくって」
そうすりゃあ、きっと大借金も何とかなるからな。つまり、美人お姉さんのヒミさんとお付き合いしながら、時々、フォルのところへ戻っていけば、幸運のおこぼれがもらえるかもしれない。うん。完璧な計画だ。
「ちょっ、そのっ、あのっ、私っ」
ん? どういうわけか、見る見るうちにフォルの顔が真っ赤になっていく。
どうしたんだ、フォルのやつ。
「ハイハイ、それじゃあ、そろそろダーツ勝負、いいかしら?」
ヒミさんの穏やかな声が聞こえた。
「おう! いくぞ!」
俺は的の前に立ち、投げる動作に入った。
と、その時。
「やっぱりダメ―! この勝負なしにしてー!」
突然、フォルが俺の動作を止めようと、抱き着いてきた。
「わっ、危ないっ」
俺はダーツが間違ってもフォルの顔などに当たらないように、ダーツを素早く放り出した。
フォルの勢いが強くて、思わず床に倒れこむ。俺はフォルが床に激突しないように、素早くフォルと俺の身体をひねって入れ替えた。
ドッスン!
「いたっ。あたた、大丈夫かフォル?」
俺はフォルもろとも、床に倒れこんだ。なんとか俺が下で、フォルが上の態勢で着地できた。
「ジンゴロウ君!」
俺に馬乗りになったフォルが叫ぶ。
「な、なんだ?」
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