あたいは最初から信じていたぞ、ジンゴロウ! ……なんだその目は、信じてないな
俺はゆっくりと目を閉じた。
同時に脳内会議も終了した。
「ふふっ、カジノのルーレットでね」
その時、ヒミさんのいたずらっぽい声が聞こえた。
ボッ!
と俺の頬の皮膚をフォルの右足がかすめた。
「あっつ!」
摩擦で皮膚が焼けたみたいだ。でも助かった。フォルがギリギリのところでキックを外してくれた。
「カジノのルーレット?」
地面に音もなく降り立ったフォルのオーラが瞬時に消え、逆立っていた銀髪がふわりともとに戻った。
なんだかよくわからないが、誤解は解けたようだった。
◇
「そうだよねー。ジンゴロウ君がそんなことするわけないもんねー」
フォルがにこやかに微笑む。さっきまで俺を蹴り殺そうとしていたくせに。
「うふふ。かわいいからからかっちゃった。ごめんね。フォル。ジンゴロウさん」
「もー、ホントに勘弁してくださいよ、ヒミさん。あやうく死ぬところでしたよ」
何故かはわからないが、ヒミさんの言葉や仕草にはエロスを感じる。大人の魅力ってやつなのか?
「あたいは最初から信じていたぞ、ジンゴロウ! ……なんだその目は、信じてないな」
「うん、信じてない」
「がっはっは! ジンゴロウ! お前も大変だな!」
マッチョはがぶがぶとエールを飲みながら、大笑いをしている。
誤解が解けてから、あっというまに俺たち五人は和気あいあいと仲良くなっていた。
異世界に来てから思うが、こっちの世界の人たちは、なんだかのんきな気がする。
「なあ、フォル」
俺はイスに姿勢を正して座りなおした。
「ん? なに? ジンゴロウ君。あらたまって」
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