俺の方はと言えば、異世界に来てからこの3週間、ほとんど外に出ていない!
働いて、お金を稼いで、物置からおさらばして、借金を少しずつでもいいから返済していこう。
そのため、俺たち三人の目下の課題は、『働く場所を探すこと』だった。
「あたいは働いたことがないから、楽しみだなあ」
ラルがのんきな声を出している。
ギィッ。 カランカラン。
「いらっしゃーい! 二名様ねー。お好きな席に座ってねー!」
酒場のウエイトレスのお姉さんの明るい声が響く。新しいお客が入ってきたようだった。
「ん? おーい、ジンゴロウじゃないか! 久しぶりだな」
「誰だ? 俺の名前を呼ぶのは……」
いま入ってきたばかりの客が俺の名前を呼んでいた。
「あっ、マッチョ! ははっ、久しぶり!」
スキンヘッドの大男、マッチョだ。
「もうケガは大丈夫なのか?」
「ケガ? ああ、フォルの必殺技、女神ロールによるケガか」
あの「カジノで大切なカフェの開業資金をすっからかんにして、美人のディーラーとバニーガールの裸を見た事件(フォルが名付けた)」で受けたフォルによる裁きという名の攻撃「女神ロール」で重症を負った俺は、二週間ほど寝たきりの生活を送った。
冷静になったフォルが「ごめんねっ、ごめんねっ」とつきっきりの看病をしてくれたのはラッキーだったけどね。
そんなわけで、俺の方はと言えば、異世界に来てからこの3週間、ほとんど外に出ていない!
でもまあ、少しずつではあるが異世界暮らしには慣れてきた。
そして5百憶アカラという、途方もない金額の借金は、もちろん返せていない。
「こっ、こんにちは。もうそのことは許してっ」
フォルは女神ロールの件を思い出し、ちょっと焦っているみたいだ。
「マッチョもあたいたちと一緒のテーブルに座りなよ! ……って、そちらの女性は? お邪魔だったかな?」
でかくて丸坊主のマッチョの体に隠れていて気が付かなかったが、確かに後ろに女性が立っていた。かなりの美人だ。
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作者が喜びの舞を踊ります。




