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「ホントウデスカ? ジンゴロウ……サン」

「ホントウデスカ? ジンゴロウ……サン」


 なに、その、声! あと「さん」はやめて、さんは!

 

 先ほどから誤解の塊のマッチョの話に、否定のジェスチャーを続けていた俺だが、この更衣室事件だけは、不可抗力だが、本当のことなので、思わず否定のジェスチャーが止まってしまっていた。


「ぃひひぃ」


 どうしていいのか分からず、思わず意味不明な笑みを返してしまった。


 我ながら、キモイ。


 遠くの柱の陰から、ラルとメイドさんが見守っているのが見えた。「助けてくれ」のアイコンタクトを送るが、ラルとメイドさんたちは静かに合掌をしたのみだった。


「でもまあ、知り合いだからかわいそうなもんで、せめてジンゴロウの仲間のフォルとラルのいるところまで連れて行ってやろうって、思ったわけさ。あんたら、仲間なんだろ?」


 フォルはマッチョを見上げ、急に、にこりと微笑んだ。あの謎の冷たいオーラも消えている。


「マッチョ、よくお話は分かったわ。お忙しい中、こんなジンゴロウ……さんを連れてきてくれて、ありがとう」


 笑顔でマッチョにそう言った。そして今度は俺の方を振り向いた。


 と同時に、再び猛然と謎のオーラがフォルを包む!


 俺は口の痛みを我慢して、必死に声を上げる。


「びゃああああぁ! ハニホレ! ひょっとフォル! 冷たいんれすへど、これ魔法? ねぇ、はんとか言っへよ! やめへ、その虫けらを見るような目! もー! オーマイゴッドはよ!」

 


「ジンゴロウ! 女神さま(Goddess)だから、オーマイガーデスだ!」


 柱の向こうからラルの声が響いた。


「ほ、ほうか! ひゃあ、オーマイガーデス! って、ほんなのほっちでもひひよ!」


「私はあなたのモノじゃあ、ありません!」


 俺の何気ない一言が、さらにフォルの怒りを増幅させてしまう。


「私たちの大事な夢のカフェの資金をカジノで失っただけでなく、美人の女の人と遊んで、さらに女子更衣室にまでついて行って、裸を見るなんて、もう、許さないんだから! 幸運の女神の裁きを受けて!」


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