待ってー! カジノへ行ってはだめー! ジンゴロウくーん、お金、返して―!
フォルは腰に手をやり、ちょっと威張って見せた。
「ああ、まあ、ちょっとは信じる気になってきた、かな?」
「もー! まだ疑ってるんですか! ぷんぷん!」
「まあまあ、で、このお金、どうする?」
「あたいはお金には困っていないから、このお金はいらない。フォルにあげるよ」
まじか、さすが金持ちの令嬢だ。
しかし、このテーブルの上の百万アカラさえあれば……。ぐふふ。
「あのっ、それじゃ、このお金を元手に、三人で小さなカフェを開いたらいいんじゃないかと思うんです。それでゆくゆくは……あれ? ジンゴロウ君は?」
俺はテーブルの上の札束を持って、その場から走り去っていた。
「ジンゴロウ、どこへ行く気だ!」
全速力で走り去りながら、俺はラルの声に返事をする。
「カジノだー! これを元手に、一気に大金持ちになってやるからなー!」
「待ってー! カジノへ行ってはだめー! ジンゴロウくーん、お金、返して―!」
「ジンゴロウー! ギャンブルはやめろー!」
「大丈夫だってー! ちょっと借りるだけだってー! 百倍、いや千倍にして返してやるってー! なんてったって、俺には幸運の女神さまがついているんだからなー! なー なー なー……」
俺はやまびこを残しつつ、走り続けた。二人の姿が小さくなっていく。
「だからー、契約者から離れちゃラッキーハッピーパワーが弱まるんだってばー! ジンゴロウ君のバカー!」
最後にフォルが何か言ってた気がしたが、良く聞こえなかった。
◇
「これがカジノか、でっかいな!」
ついに俺は人生初のカジノへとやってきた!
宮殿みたいな外観の石造りの荘厳な建物が異彩を放っていた。
俺の手には大金がある!
これを博打で一気に増やし、借金を帳消しにし、異世界で幸せになってやるんだ!
「やってやるぜ! 待ってろ! 俺の異世界ハッピーライフ!」
俺は意気揚々とカジノの中に入っていった。
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