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待ってー! カジノへ行ってはだめー! ジンゴロウくーん、お金、返して―!

 フォルは腰に手をやり、ちょっと威張って見せた。


「ああ、まあ、ちょっとは信じる気になってきた、かな?」


「もー! まだ疑ってるんですか! ぷんぷん!」


「まあまあ、で、このお金、どうする?」


「あたいはお金には困っていないから、このお金はいらない。フォルにあげるよ」


 まじか、さすが金持ちの令嬢だ。


 しかし、このテーブルの上の百万アカラさえあれば……。ぐふふ。


「あのっ、それじゃ、このお金を元手に、三人で小さなカフェを開いたらいいんじゃないかと思うんです。それでゆくゆくは……あれ? ジンゴロウ君は?」


 俺はテーブルの上の札束を持って、その場から走り去っていた。


「ジンゴロウ、どこへ行く気だ!」


 全速力で走り去りながら、俺はラルの声に返事をする。


「カジノだー! これを元手に、一気に大金持ちになってやるからなー!」 


「待ってー! カジノへ行ってはだめー! ジンゴロウくーん、お金、返して―!」


「ジンゴロウー! ギャンブルはやめろー!」


「大丈夫だってー! ちょっと借りるだけだってー! 百倍、いや千倍にして返してやるってー! なんてったって、俺には幸運の女神さまがついているんだからなー! なー なー なー……」


 俺はやまびこを残しつつ、走り続けた。二人の姿が小さくなっていく。


「だからー、契約者から離れちゃラッキーハッピーパワーが弱まるんだってばー! ジンゴロウ君のバカー!」


 最後にフォルが何か言ってた気がしたが、良く聞こえなかった。







「これがカジノか、でっかいな!」


 ついに俺は人生初のカジノへとやってきた!


 宮殿みたいな外観の石造りの荘厳な建物が異彩を放っていた。


 俺の手には大金がある! 

 

 これを博打で一気に増やし、借金を帳消しにし、異世界で幸せになってやるんだ!


「やってやるぜ! 待ってろ! 俺の異世界ハッピーライフ!」


 俺は意気揚々とカジノの中に入っていった。


本作品をお読みいただき、誠にありがとうございます!

今後も継続して、作品を書いて、アップしていきたいと思います。

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