ジンゴロウ、こんな時に何を! はっ! まさか、フォルにおしっこをさせて、それを飲ませる気か!
俺はフォルのスカートのポケットに手を突っ込み、まさぐり始めた。
「どこだ、どこだ」
「なななっ、なにをするんですか、ジンゴロウ君っ」
「ジンゴロウ、こんな時に何を! はっ! まさか、フォルにおしっこをさせて、それを飲ませる気か!」
「ええええっ! ちょっ、それは、そのっ。でも、人の命には変えられないですけどっ」
「最低だな! それならジンゴロウのを出せばいいだろう!」
俺が突然手を突っ込んだものだから、ラルとフォルは思いっきり誤解をしている。
「違うって―の! えっと、正確な名前は知らないけど、さっき、ブリキ人形をあげたお礼に、果物もらっただろ? あれを絞って、ジュースにするんだ! あっ、あった、これだ!」
俺はフォルのポケットからオレンジみたいな果物を抜き取り、商人の顔を上に向け、口に向けて力の限り果実を絞った。
「おりゃああああ!」
果実からは勢いよくオレンジ色の果汁がしたたり落ちた。
「どうだ! あんた、飲めたか? 大丈夫か?」
商人は最後の力を振り絞り、必死の形相で口を開け、薬と果汁を飲み込んだ。
それから数分後、太っちょの商人は元気さを取り戻していた。
「いやー、どうもありがとうございました! 私の名前はアルゼンと申します。旅の商人をしております。この度はお助けいただき、誠にありがとうございました。助けていただいたお礼に、わずかではございますが、こちらを受け取ってください」
商人の手には、封筒のようなものがあった。なんだ、アレ?
「わあっ、ありがとうございます。ありがたく頂戴します」
またもフォルはうやうやしくお辞儀をし、両手で封筒みたいなものを受け取った。
……なんか、こどもの時に読んだ、童話のわらしべ長者みたいだな。
アルゼンと名乗る商人は、なんども振り返り、お辞儀をしながら、行商へと戻っていった。
「いやー、ジンゴロウの機転のおかげで助かったな!」
ホテルに戻った俺たち三人は、おいしい朝食にありついていた。
お読みいただき、ありがとうございます。
もしよろしければ、下の 【☆☆☆☆☆】にて『ポイント評価』をお願いいたします。
面白くなければ星1つ【★☆☆☆☆】にてお願いいたします。
皆様の率直な評価を参考に、次回のお話に生かしていきたいと思います。




