こんな奴らと友達になりたかった……って、いま、俺、こいつらと友達じゃん!
「メイリン病は、発作みたいなものだ。発症したら、十分程度で心臓が止まる!」
「ええっ、大変じゃないですか!」
「でも特効薬がある。薬をすぐに飲めば、収まって助かる! あんた、薬はもっていないのか? 持病なら薬を持ち歩いているはずだろう!」
太った商人は、ベルトについていたポーチを震える手で開き、薬を出した。粉薬のようだ。いつ起こるか分からないから、薬を肌身離さず持っているのだろう。
「ああ、良かった。これで助かりますね!」
「ふう、焦ったぜ。さあ、これを」
ラルは慣れた手つきで、商人の口に粉薬をさらさらと入れた。
フォルと俺は喜んだが、商人の顔は青ざめていた。
どうしたんだ? と商人の目線の先を見ると、肩から下げていた水筒が割れ、水が漏れ出していた。前のめりに倒れこんだ衝撃で割れてしまったようだ。
「まずい! 水がないと粉薬が飲めないぞ!」
「うっそだろ!」
普段の状態なら、口の中のよだれだけでも、商人は呑み込めたかもしれない。だが、いまは心臓の痛みで、それは難しそうだった。
ラルが素早く水筒を抱えたが、時すでに遅く、水筒の中の水は空になっていた。
「大変です! 水を探さないと!」
俺たちは辺りを見渡したが、辺りは崩れた家の残骸ばかり。とても水なんてありそうにはなかった。
「どっ、どっ、どうしましょう! このままじゃ、この人が、死んでしまいます!」
フォルは水がないかと、バタバタと走り回る。
「どうしよう、ジンゴロウ! この人が、死んじゃう!」
ラルは商人を抱きかかえたまま、涙目で俺を見つめてくる。
ラルもフォルも、いいやつだな。こんないいやつら、俺が元居た世界にはいなかった。いや、たくさんいるのだろうが、少なくとも俺の周りにはいなかった。
こんな奴らと友達になりたかった……って、いま、俺、こいつらと友達じゃん!
ああ、友達の願いには応えてやりたいなあ。
「ううう……」
いよいよ苦しくなったのか、商人は心臓のある部分を服の上からギュッと抑えながら、苦悶の表情を浮かべている。
「ん? そうだ閃いた! フォルが出せばいいんだ!」
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