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【完結】大不幸男! 幸運の女神様と美人令嬢に出会って幸福になる!  作者: 佐々木裕平
4話 人に親切にしたって、どうせいいことないだろ?
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こんな奴らと友達になりたかった……って、いま、俺、こいつらと友達じゃん!

「メイリン病は、発作みたいなものだ。発症したら、十分程度で心臓が止まる!」


「ええっ、大変じゃないですか!」


「でも特効薬がある。薬をすぐに飲めば、収まって助かる! あんた、薬はもっていないのか? 持病なら薬を持ち歩いているはずだろう!」


 太った商人は、ベルトについていたポーチを震える手で開き、薬を出した。粉薬のようだ。いつ起こるか分からないから、薬を肌身離さず持っているのだろう。


「ああ、良かった。これで助かりますね!」


「ふう、焦ったぜ。さあ、これを」


 ラルは慣れた手つきで、商人の口に粉薬をさらさらと入れた。


 フォルと俺は喜んだが、商人の顔は青ざめていた。


 どうしたんだ? と商人の目線の先を見ると、肩から下げていた水筒が割れ、水が漏れ出していた。前のめりに倒れこんだ衝撃で割れてしまったようだ。


「まずい! 水がないと粉薬が飲めないぞ!」


「うっそだろ!」


 普段の状態なら、口の中のよだれだけでも、商人は呑み込めたかもしれない。だが、いまは心臓の痛みで、それは難しそうだった。


 ラルが素早く水筒を抱えたが、時すでに遅く、水筒の中の水は空になっていた。


「大変です! 水を探さないと!」


 俺たちは辺りを見渡したが、辺りは崩れた家の残骸ばかり。とても水なんてありそうにはなかった。


「どっ、どっ、どうしましょう! このままじゃ、この人が、死んでしまいます!」


 フォルは水がないかと、バタバタと走り回る。


「どうしよう、ジンゴロウ! この人が、死んじゃう!」


 ラルは商人を抱きかかえたまま、涙目で俺を見つめてくる。


 ラルもフォルも、いいやつだな。こんないいやつら、俺が元居た世界にはいなかった。いや、たくさんいるのだろうが、少なくとも俺の周りにはいなかった。


 こんな奴らと友達になりたかった……って、いま、俺、こいつらと友達じゃん!


 ああ、友達の願いには応えてやりたいなあ。


「ううう……」


 いよいよ苦しくなったのか、商人は心臓のある部分を服の上からギュッと抑えながら、苦悶の表情を浮かべている。


「ん? そうだ閃いた! フォルが出せばいいんだ!」


【☆お礼とお願い☆】

数ある小説の中から、本作品をお読みいただき、誠にありがとうございます!

今後も継続して、作品を書いて、アップしていきたいと思います。

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