わあっ、ありがとうございます。ありがたく頂戴します
「やったー! おねえちゃんありがとう! 大切にするね!」
幼女は心の底から嬉しそうな声を上げた。
「まあ、すみません。ありがとうございます。あっ、そうだ。お礼と言っては何ですが、こちらを差し上げます。どうぞ受け取ってください」
幼女の母親は手に持っていた買い物カゴから、一つのオレンジみたいな果物を取り出した。
「わあっ、ありがとうございます。ありがたく頂戴します」
フォルはまたうやうやしくお辞儀をして、オレンジみたいな果物を大切に受け取った。フォルはお礼のものを受け取るのには、抵抗がないんだな。女神らしいっちゃ、らしいか。それにしても、まさに物々交換だな。
入れ物がなかったので、フォルは自分の服のスカートのポケットの中に果物をしまっていた。
幼女と母親と別れた後、昨日のゴーレムが暴れた辺りを見てから帰ろう、という話になった。現場についてみると、イフリートはもちろん、あの巨大なゴーレムとバハムートの姿はやはりすっかりなくなっていた。
辺りはゴーレムの起こした地震で倒壊した建物の残骸があるだけだった。
ふと、俺はジャージのポケットに手を突っ込んだ。
カチャリと指先に当たるものがある。
昨日拾った、バハムートの逆鱗・ゴーレムの輝石・イフリートの赤爪だ。やっぱりこれは気化しないみたいだ。うん、綺麗だ。
「なあ、そろそろホテルに帰って朝食にしよう。あたいはもう腹ペコだよ」
ラルがそういうので、俺たち三人がホテルに帰ろうとすると、向かいから大きな袋を背負った、太った商人らしき人物が歩いてくるのが見えた。
「なあ、あの人、なんだかフラフラしてないか?」
「ああ、そうだな。いまにも倒れ……あっ、危ない!」
太った商人は、その場で背負った荷物ごと、前のめりに倒れた。
ラルが素早く駆け寄る。
「おい、あんた、大丈夫か? しっかりしろ」
「う、うう……。持病のメイリン病が……」
「メイリン病だって? 大変じゃないか!」
「なんだ、そのメイリン病って?」
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