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わかってる。俺はダバラの町を壊滅の危機に陥れたきっかけを作った男。大借金の男だ。

「あっ、うん。町の人が私は無料でいいって言ってくれてたよ。私、お金持ってないから、助かります。ありがとうございます」


 フォルはメイドさんたちにぺこりと頭を下げた。


「いえいえ、そんな、やめてください。頭をお上げください」


 普段利用する客はメイドさんたちに頭を下げたりはしないのだろう。メイドさんたちは恐縮している。


 やっぱり無一文だったか。そりゃあ、俺に食べ物をもらうくらいだから、そうだろうな。

 

 それから俺たちは大勢のメイドさんに案内され、最上階のキングルームに到着した。


「はー――――――――……」


 俺はあまりの内装の素晴らしさにため息しか出なかった。というか、入口からここまでの間もずっとため息しか出ていない。


 ラルはまるで自分の家のように、特に感想もなくくつろいでいる。本物の金持ちとは、こんな感じなのだろうか。


「ラ」


 ルと呼びかけたかったのだが、ラルは手慣れた様子で隣の部屋へと入っていった。俺が元の世界で泊まったことのある安宿は一部屋しかないのが当たり前だったから、部屋の中にさらに部屋があることに驚きだ。


フォルはアレコレとメイドさんたちに質問している。その素直な姿勢にメイドさんたちのフォルに対する好感度も爆上がりのようだった。


 それにしても、さっきから気になっていることがある。それは俺の部屋の問題だ。「フォル様とラル様のお部屋は最上階のキングルームでございます」先ほど、メイドさんの一人は確かにそう言った。俺が含まれていない。


 わかってる。俺はダバラの町を壊滅の危機に陥れたきっかけを作った男。大借金の男だ。このキングルームには止めてもらえないのだろう。


 だが野宿は避けたい。なんとかフォルとラルにうまいこと言ってもらって、普通の部屋に泊めてもらえるように交渉してもらおう。


 だがフォルはメイドさんたちに大人気になり、その輪に入っていけない。


 ならばラルだ。


「おーい、ラル。お願いがあるんだけど」


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