背中から冷や汗が噴き出る
俺の右手のエスカリオンが、ラルの頭上越しに、何かを大きく薙ぎ払った。
後ろ向きになっている俺の視界に、やはり走り抜けるガルーダの姿が見えた。
だが、首から上がない……。
あった。空中を舞っている。
ドサッ。
ゴロゴロ。
ガルーダの頭が真っ赤な絨毯に転がる。
ガルーダの頭部と身体から蒸気のようなものが上がり始める。絶命したのだ。以前倒したゴーレムやイフリート、そしてバハムートのように、気化し始めた。
そして、消えた。
「勝ったぞ! ジンゴロウ!」
「やった! やった!」
俺はラルから降り、手を取り合ってその場で跳ねた。エスカリオンの激しい動きの影響で、すでに腕のみならず全身が痛い。
それはアンタッチャブルアーマーでずっと動き続けていたラルも一緒だと思う。いや、ラルの方が、本当はもうバテバテという感じだろう。
「「フォル! 勝ったぞ!」」
俺とラルが振り返り、フォルに声をかける。
だが、先ほどまでフォルが縛られていたイスごと、フォルの姿が消えている。
え? フォルはどこに? ゴデブリン大臣もいない。
背中から冷や汗が噴き出る。俺はきょろきょろと辺りを見わたす。
いた!
ゴデブリン大臣はフォルを縛っているイスごとフォルを運び、窓際にいた。
「ええい! いまいましい下郎どもめ、よくもワシのガルーダを!」
「フォルを返せ! もうお前の負けだ! 後ろは窓だ。落ちたら死ぬぞ!」




