激し過ぎる筋肉痛に襲われること、間違いなし
悪趣味なゴデブリン大臣の大きな部屋の中に、ガルーダの打撃の空を切る音と、ラルのよけ続ける音だけが響く。
「ジンゴロウ、もう一度、エスカリオンで攻撃だ!」
「お、おおう!」
俺はもう一度エスカリオンのグリップを握る。
エスカリオンが俺の身体を支配するのがわかる。
ギャリン。キンッ。ズバンッ。ガッ。ズバッ。
相変わらず俺はラルに抱き着き、ガルーダに背を向けたままだ。
だがその姿勢のまま、俺の右腕は背中で激しく大剣を振り続ける。
音から察するに、ガルーダの鋭い手足の爪攻撃をエスカリオンが弾き、ぶつかっているのだろう。そして時折、エスカリオンがガルーダの身体を切り刻む音が聞こえる。
正直、こんなに俺の肩と肩甲骨動くのかって、感じ。絶対明日、肩から背中が激し過ぎる筋肉痛に襲われること、間違いなし。うん。
というか、こんなポーズで戦う人間、人類史上、初なんじゃないか?
気のせいかもしれないが、だんだん、アンタッチャブルアーマーとエスカリオンの避けと攻撃の呼吸が合ってきた気がする。
ズサーッ。ザッ。
ラルがというか、アンタッチャブルアーマーが一度、大きく後ろに飛び下がる。そして、エスカリオンが構えをとる。
背中越しだが、なんとなくわかる。おそらくガルーダも大きく後ろに下がっている。たぶん、そこから一気に間合いを詰め、勝負を決める気なのだろう。
次の瞬間、俺たちは一気に前に出た。おそらくガルーダも。
そして、ガルーダの大きく強い攻撃が繰り出された。
だがアンタッチャブルアーマーはいつものようにヒラリとかわさなかったのだろう。突進してくるガルーダの横をギリギリで走り抜けたのだ。
バシュッ。




