伏線回収だよ!
ラルには悪いが、この抱き着いたまんまで、ちょっと落ち着いて考えてみよう……。
かくして俺と俺と俺による、脳内会議が始まった。
「いやー、こんな若い子に抱き着けるなんて、役得ですなぁ」
「ホント。それにこの良い香り。たまりませんのぅ」
「じじいかよ! そんなこと言ってる場合じゃないだろ」
「いやいや、隠さんでもええて、お主だっていま、ええ気持ちじゃろ? ん? ワシにはわかっとるんじゃて」
「う……確かに、いい香りだし、抱き着き心地も最高だし、ずっと抱き着いていたいし。いつかみたいにアンタッチャブルアーマーの隙間から、手を入れて揉み揉みしちゃいたいなんなあー、なんて。それにあんなことこんなこともしたいし」
「いや、それはやりすぎだろ」
「最低か!」
「なんで急に裏切るんだよ! ってか、そんな会議したいんじゃないよ! いまこのガルーダに襲われている状況をなんとかする方法を考えたいんだよ! 俺は!」
「偶然だな。俺もだ」
「かくいう俺も、そうだ。で、どうする?」
「そうだな。とりあえずガルーダの攻撃は避けられ続けている。だからすぐに負けることはないだろう」
「でもこのままじゃあ、いずれラルが動けなくなると思うぞ。さすがに重たい俺を前抱っこしたままじゃあ、体がもたないだろうからな」
「ああ、なんとか反撃をしないと」
「攻撃? 俺が? 抱き着いたまま、パンチでもしてみるか?」
「そんなんじゃあ、ダメージ与えられないだろう。下手すりゃ、腕がもげちまいそうだし」
「そんじゃあ、どうする?」
「あっ、分かったぞ!」
「何が?」
「伏線回収だよ! ほら、異世界に来た初日に、バハムートとイフリートとゴーレム倒しただろ?」
「ああ、あの時はフォルのラッキーハッピーパワーがあったから助かったな。それがどうした?」




