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ジンゴロウ! あたいに抱きつけ!

「ふん、バカめ。それは方便だ。人心を惑わす魔女として拉致せねば、ワシがまるで悪党のようになってしまうだろう。バカめらが。ワシは入念な調査で、この小娘が本物の幸運の女神だと、とうに知っておったわ。バカめ」


 三回もバカって言いやがった。


 ゴデブリン大臣はスッと、右手を挙げる。


「さて、未来の国王であるワシとの会話はここまでだ。秘密を知ってしまったものには、死あるのみ。ガルーダ、あの二人を消せ」


 

 ケェー!



 ガルーダはゴデブリンの命令とともに、大きく羽ばたき、室内を旋回し始めた。その旋回は次第に速度を増していく。


「速い!」


 ラルが驚きの声をあげた。ガルーダはその巨体に似合わず、狭い室内でも低空を超高速で飛びまわれた。正直、その動きを目で追うのが精いっぱいだ。っていうか、もう残像しか見えないんですけど。


「は、は、はくしょん!」


 俺は急に鼻がむずむずして来たので、思わずくしゃみをしてしまった。



シャッ!



 俺がくしゃみをして、頭を下げたのと同時に、頭のあった位置をガルーダの鋭い銀色の爪が後ろから空を切った。そして俺の正面の金色の柱がざっくりとガルーダの爪の形にえぐられていた。


「大丈夫か、ジンゴロウ!」


「だだだだ、大丈夫だー! くしゃみしてラッキーだった!」


 フォルと同じ空間にいるからだろうか、実に幸運だった。もしかして、もうすでにラッキーハッピーパワー戻ってきてる?


「でもまずいぞ。あんな早い攻撃、避けられたもんじゃない!」


 ガルーダはまたしても超高速で室内を旋回し始めた。しかも今度は楕円や八の字といった複雑な軌道を交えて飛び回っている。どうしたらいいんだ。


「ジンゴロウ! あたいに抱きつけ!」


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