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むー、むー!

 ガルーダの隣でふんぞり返っているゴデブリンが口を開いた。


「は? 誰って、そこにいるフォルの仲間だ! カフェ・グッドラックで会っただろうが! って、そんなのどうでもいい! さっさとフォルを解放しろ! この変態野郎!」


 ゴデブリンは俺たちのことなどまったく覚えていないようだった。


 ん? それなのにフォルに執着しているのはなぜなんだ?


 マイ・メイ・アイの母親を自分の思い通りにできなかった腹いせの復習じゃないのか?


 ラルも同じ疑問を抱いたようだった。


「ゴデブリン大臣、あなたに問う! なぜあたいたちの仲間のフォルを誘拐した!」


 ゴデブリン大臣は眉を寄せ、しかめっ面になった。それはまるで、なぜ貴様らごときにワシが理由を説明せねばならぬのじゃ、とでも言いたそうな顔だった。


 ゴデブリン大臣は、めんどくさそうに口を開いた。


「ふん。まあ、貴様らはこれから『偉大なる大臣宅に不法侵入した逆賊』としてワシのガルーダに処刑される身だ。最後に教えてやってもいいだろう」


「こ、答えろ! ゴデブリン!」


 俺も声を張る。だが、人生でこんなに人に突っかかるのは初めてだ。正直、足が震える。またしてもちびりそうだ。でも、いまは、ちびれない。


「よいか、賊めら、よく聞け。ワシはこの王国でほぼすべての地位と名誉と財産を手に入れてきた。それこそ、ありとあらゆる手を使って、だ」


 ゴデブリン大臣はけだるそうに話し始めた。

「だが、どうしても手に入れられぬものがある。それは、王位だ。このアカラ王国の現国王、アカラ13世を暗殺しても、次の王位継承者に王位が移るだけ。ワシには永遠に王位が、この国のすべてが手に入らぬ。……そこでだ」


 ゴデブリン大臣は、横のイスに体と口を縛られたままのフォルの肩に手を置いた「むー、むー!」と何か怒りながら声を発っする。


「「おい! フォルから手を放せ!」」


 俺とラルはまったく同じタイミングでゴデブリン大臣に怒鳴った。


 ゴデブリン大臣は、俺たちの言葉を無視し、言葉を続ける。


「そこで、この幸運の女神だ。こやつの幸運の力をわがものとすれば、アカラ13世のみならず、すべての王位継承者を排除することができるだろう。そしてその時、ワシはこの国の新たなる国王、ゴデブリン一世となるのだ」


 おいおい、まじか、こいつ。本当にやばいやつだ。


「っていうか、お前、フォルのこと、偽物の女神だと思ってたんじゃないのか」


お読みいただき、ありがとうございます。

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皆様の率直な評価を参考に、次回のお話に生かしていきたいと思います。


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