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イントロ:異世界に転移したとたん、大ピンチなんて、ついてない!

・イントロ:異世界に転移したなんて、ついてない!


「あーあ、せっかく異世界に転移したのに、いきなり死にそうなんて、やっぱり俺には運がないな」


 いま、俺の頭上には巨大な召喚獣バハムートが羽ばたいている。


 その巨大な口の中には真っ白い光のエネルギーが充てんされているようだ。


 シュオオオオォォォォ・・・・・・・。


 なんだか甲高い音が響いている。


 こんな光景は見たことがない。でも、直感的にわかる。魔法だか何だかは、わからないけれど、アレは俺の知らない未知の高エネルギーの塊だ。


 あの口から、エネルギー弾がビームみたいに発射され、それが地面に直撃したら、半径数百メートルは灰燼に帰す、というワケだろう。


 その時、俺はどうなる?


「俺は、死ぬ!」


 異世界に転移してきたばかりで、どうしてこんな目にあわなければいけないんだ。




 思えばこどものころから、何をやってもついていなかった。

 

 正月に神社でおみくじを引けば、必ず凶が出た。


 ある年なんて、腹が立ったから十枚引いたら、それでも十連続で凶が出た。


 天文学的な確率で運の悪い男、それが俺、神木ジンゴロウ(16歳)だ。


「ゴオオオオオォォォォ・・・・・・・・・・!」

 

 これまた頭上から轟音がとどろく。


 後ろを振り返れば、これまた伝説の召喚獣である、大地の巨人ゴーレムがおたけびをあげている。おいおい、どんだけでかいんだ。五十メートルはあるんじゃないか?


 こいつがさっきから少し足を動かすだけで、辺りは地震が起こりまくりだ。とても立っていられない。ずっと俺はよろよろとこけまくりだ。見なよ、この町の人々もよろよろしてる。


 次々にレンガや石造りの中世ヨーロッパのような町並みの家々が崩れだしている。


 もし、このゴーレムが怒って、ダンスでも踊りだした日にゃあ、街が消滅するのは目に見えている。



 ボボボボボボォォォ!


 はい、そしてこちら、俺の目の前でかめ○め派でも繰り出しそうなポーズで真っ赤に燃え盛っていらっしゃるのが、やっぱり伝説の召喚獣イフリートだ。


 体長は3メートルってところ。


 わかってるって、背は低いけど、どうせ強いんだろ? 


 その手の中の火球を打ち出したら、大爆発ってわけさ。


 おまけにどういうわけか、その目線は俺の方を向いているし。


「あーあ、こりゃどうあっても、俺は死ぬ。無関係な町の人々も一緒に死んでしまう。やっぱり俺はついてない・・・・・・オーマイゴッド!」


 ゴーレムの地ならしで揺れるさなか、天を仰ぎ見ながらそうつぶやいたとき、誰かが俺の手をクイクイと引っ張った。


「あのっ、あのっ」


 下を見ると、一人の少女がゴーレムの地ならしの揺れで寝転がったまま、潤んだ瞳で俺を見ていた。


「はい? な、なに?」


 少女はほこりまみれでぼろぼろの服装だった。おまけに髪はぼさぼさだ。でも、顔はとってもかわいい。


「あのっ、私は幸運の女神フォル・トゥナって言います。新人研修を終えて、この世界に新任の幸運の女神として着任しました。でも、契約をしないと力が使えません。あ、あのっ、私と契約してくれませんか? そしたら、きっとみんな助かります」


「なんてこった」


 死ぬ間際に変な奴に声をかけられたもんだ。


「あんたねえ、こんな時に……」


 ふざけたこと言ってるんじゃないよ? と言おうと思ったんだが、少女が会話をさえぎった。


「あっ、フォルって呼んでください!」


「フォルね。はいはい、俺は神木ジンゴロウ! 世界一ついてない男さ!」

ってそんなことどうでもいい! こんな時にこんな変な少女に出会うなんて、やっぱり俺はついてない!


「ジンゴロウ君だね! よろしく!」


 フォルと名乗る少女は、満面の笑みで手を差し出してきた。


 さっきまで俺は富士の樹海を遭難していただけなのに……。


 まったく、どうしてこうなったんだ。


お読みいただき、ありがとうございます。

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面白くなければ星1つ【★☆☆☆☆】にてお願いいたします。

皆様の率直な評価を参考に、次回のお話に生かしていきたいと思います。


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