6/9
【8月20日】
五日目。
今日は約束をズル休みしてしまった。
だって昨日のアレはない。
もう二度と会わないつもりだった。
ずっとLINEの通知が止まなかった。
“ごめんね”
“馬鹿にしたわけじゃなくて、本当にかわいいなって”
“本当にごめんなさい”
たくさん、たくさん、送られてきた。
笑われてても、馬鹿にされても、本当は会いたくて会いたくて。
大好きだから、ムカついて、
大好きだから、会いたくなくて、
でも大好きだから、会いたくて。
返信したくて、我慢して既読無視を続けて。
たくさん、たくさん、泣いた。
しばらく止んで、夕方またLINE。
“恋人になって、って、いきなり言った理由、ちゃんと話します。だから明日は来てください。待ってます”
理由?
ピアノに釣られてチョロそうだったからじゃなくて?
理由があるなら知りたい。
それが納得のいくものでも、そうじゃなくても。
これを聞かないままお別れしてしまったら、この気持をずっと引きずってしまうと思った。
それに……。
この軽薄な関係に特別な名前がつくことを、期待せずにはいられなかった。
――君が日本を発つまで、あと二日。




