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(あらすじとほぼ同じ、読み飛ばしOK)
一週間分の、消えない思い出が欲しいと思った。
たとえ、それが深い傷になると分かっていても。
『一週間だけ、俺の彼女になってよ』
あの日、君が言った言葉で。
私の日常が変わった――
月曜日に「好き」をもらって。
火曜日は手を繋いで。
水曜日にキスをした。
木曜日はお菓子を焼いて。
金曜日に少しケンカ。
土曜日に最初で最後の夜を過ごして。
日曜の朝、寝息を立てる髪に指を通して、泣いた。
恋愛感情感傷不可逆。
心臓の早口言葉がもつれた。
私は自分の恋が終わる音を聴いてしまった。