表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
83/83

番外編9

 アリーナが目を開けると、目の前に愛しそうにアリーナを見つめるライがいた。恥ずかしくて目を伏せたアリーナの顎を、ライが撫でる。おずおずとまた目を上げたアリーナに、ライが微笑みかける。

 甘い。

 控えめに言っても、ライの視線は甘すぎる。

 まだライとの結婚生活は始まったばかりで、アリーナはまだこの状況に慣れそうにもなかった。


「あ、あの……ライ様。あまり見つめられると……」


 顔を赤らめるアリーナに、ライが、ふふ、声を漏らす。


「気にしなくていいですよ。私がアリーナに飽きることはないですから」

「いや、飽きるとか飽きないとかじゃなくて……」

「見つめてはいけない決まりなどないでしょう?」

「え、えーっと……ありませんけど……は、恥ずかしいんです」


 アリーナの言葉に、ライがアリーナの頭を撫でる。


「恥ずかしがっているアリーナも、またいいものですね」


 ライの返答に、アリーナはグッと詰まる。

 でも、アリーナは何かライの甘い視線を撃退できる言葉がないか、頭を巡らせる。とにもかくにも、恥ずかしいのだ。


 ふと、アリーナはある事実を思い出す。


「ライ様。あの婚活パーティーの時は、私のことをそんな風に見ていませんでしたよね? ……あの時は、どう思われてたんです?」


 そもそも、あの時はライがアリーナをこんな目では見ていなかった。

 ライの気を逸らせればいいとは思ったところもあったが、アリーナの素朴な疑問だった。

 ライが瞬きをして、目を軽く見張る。


「あの時は……」


 ライの視線が、アリーナから逸れる。

 どうやら成功したらしい、と思えたのは、一瞬だった。


 ライの手が、アリーナの両手を覆う。

 突然のライの行動に、アリーナは目を見開いた。

 ライの更に熱い視線が、アリーナに注がれる。

 

「あれは、運命だったに違いありません」

 

 アリーナは、呆気にとられ、瞬きを繰り返した。


「う、運命?」


 ライが戸惑うアリーナをよそに、大きく頷く。


「そう。運命です」

「えーっと、ライ様。私が聞いたのは、あの時どう思っていたのか、についてなんですけど……」

「あの時は気づいていませんでしたが、今思えば、あれは運命だったに間違いありません」

「えーっと、だからですね……」


 ライが言葉を発するアリーナの唇を塞ぐ。


「……ん……」


 ライに翻弄されて、アリーナはくったりと力が抜ける。

 アリーナから唇を離したライは、また愛しそうにアリーナの頬を撫でる。


「あの時は、まだ運命だと気づいていなかった私に落ち度があったと言わざるを得ません。お詫びにもなりませんが、その分も、私の愛が伝わるようにしますから。拗ねないで下さい」


 違う!


 アリーナの心の叫びは、ライの唇にまた飲み込まれていった。


完 

作者が1年ぶりくらいにお酒を飲んだら、ストッパーが外れたようです。

楽しんでいただければ幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ