孤独の城
この度は読んでいただきありがとうございます。初作品なのでクオリティーは誇れるものではありませんが、楽しんでもらえると幸いです
この世界は、すごく不思議だ。
人によって、生き方、感じ方、何もかもが違う。
そんな当たり前のことだけど、その当たり前がすごく不思議である。
人間は、感情が違うからこそ、はじめて成り立つのかもしれない。
感情が違うから、関心をもち、接し、学ぶ。
そうして感情があるから、人間は誰かを愛すのだろうか。
-愛-
それは、私の知らないもの。私には不要なもの。
なぜ人を愛さなければいけないのだろう?人を愛して何になる?人を愛したから何が変わる?そもそも、他人とじゃれあってなんの意味があるのだろうか?
そんなもの、鬱陶しいものでしかないのに。この世では自分だけだ。自分だけは、絶対に裏切らない。傷つくこともなければ、他人のことで疲れることもない。ドライと思われるだろうが、そんなものは気にしない。他人になんと思われようが、私には関係ないからだ。だから私は今まで一人で生きてきた。例えるならそう…お城だ。私は今までお城の中からみんなを見てきた。誰もいない、自分だけの完璧なお城。そんな完璧なお城の中から今までたくさんの人間を見てきた。
そこではみんな、愛だとかなんだとか謳っていた。
「くだらない…」
私が最初に感じたのが、その一言だった。
正直滑稽だった。人との関係なんて、一瞬で切れる。愛だとかなんだとかいってる割には、すぐにわかれていく。それは結局、相手ではなく、自分のことだけを考えているからだろう。相手を自分のための都合のいい道具としてしか見ていないからだ。だからすぐにわかれる。
もしかしたら、この世に本当の愛なんて、もう存在しないのかもしれない。愛と言うのはただの仮面で、実際は自分を肯定してくれる存在証明欲の塊なのかもしれない。
この世界は、そんな不要なものを背負い続けて生きていくのだろうか。
まぁ私には関係ない。
私は私だ。他の奴らは勝手にバカみたいに生きていけばいい。
そんなことを考えていると、頭のなかで、ある声が反響した。その言葉の内容が、私を苦しめる。
その言葉とは…
-どうして君はいつも孤独なの?-
そうだ…
ここからだ…ここから全てが始まった…いや、狂った。と言った方が正しいだろうか。これは、孤独な城の…少女による物語…