表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

66/106

11ー5.強襲

バトル回


…………ズドンッ‼︎‼︎


「きゃあっ」


「ネリア!」


突然、強烈な衝撃が大地を揺らし、セスはよろけたネリアを支えた。

砂煙と再び急に濃くなった霧の向こう、山肌の一部から10m以上ある巨大な岩塊が突き出している。

よく見るとそれは……


「ゴーレム……⁉︎」


砦のような円柱の胴体をベースに、円錐を逆さにしたような脚が4つ。魔石の重力制御で浮いて自立している。4本の長いアームには関節が無数にあり、鞭のようにしならせることも可能だ。

頭部の黒い球体は胴体から浮いて分離し、くるくると回転しながら魔力の光を纏っている。


「くるぞ!」


ギュイイイイーーーーーーン…………


シアンが叫んだ直後、4人のいた方向へ球体から光線が発射された。

カーマインは肉体強化魔法で高く跳んで避け、シアンは魔防壁を張ってセスとネリアを庇う。


「2人は逃げろ!」


数秒間続いた光線が止むと同時に、シアンも魔防壁を解除して抜剣した。

カーマインは既にゴーレムの反対側へ回り込んで、ぶん回されるアームの攻撃をシャベルで器用にいなしている。

ゴーレムは斜面を滑るように素早く移動しながら、カーマインに追撃を浴びせる。


ガン! キン! キン! ガガガン! ガキン!


「どう見たってターゲット本人じゃねーよなぁ⁉︎ コイツはぶっ壊していーんだろ⁉︎」


「許可する! できれば資料にしたいところだが、自爆機能付きかもしれないからな! その中にターゲットが入っているとは思えんが、近くにはいるはずだ! 気をつけろ!」


「へーい……」


ザクッ‼︎


離れたシアンまで届かせる気のない雑な返事をしつつ、カーマインは魔力を込めたシャベルを地面に突き刺した。

直後、地面から勢いよく突き出した4本の石柱が、ゴーレムを挟み撃ちにする。


ガガガガ……ガキン‼︎‼︎ ズシャアアァァ……


「いっちょあがり〜♪」


石柱同士の隙間に挟まれたアームが千切れ、砂埃をあげながら滑落していく。

その煙の収まらない内に、霧との境界が曖昧な曇天から、冷たい声が降ってくる。


「あーあ、使えないな。やっぱ人間如きが作ったガラクタなんてそんなものか」


女のようにも少年のようにも聞こえる、若々しくて凛とした声質。

それを追ってゴーレムを見上げると、石柱の上で緑色のローブが風に靡いていた。

深く被ったフード、余るほど長すぎる丈……すっぽりと覆われたその全容は確認できない。

すぐさまカーマインが飛び掛かろうとすると、ローブの人物はゴーレムの頭部パーツを投げつける。


「死んじゃえ」


キラッ……ドッゴオオォォーーーーン‼︎‼︎


目を刺すような金色の閃光が辺りに広がった次の瞬間、耳をつんざくような爆音が空間を揺らした。

振動が止み、再びシアンの魔防壁内でセスとネリアが目を開けると、山肌の丸く抉れた箇所にローブの敵だけが浮いていた。

ゴーレムは跡形も残っていない。カーマインの姿も消えている……


「たわいもない……」


と、敵に思わせたのも束の間、真下の地中から勢いよく飛び出すカーマイン。

そのまま魔力を纏わせたシャベルを振り被って突っ込むが、敵は飛空魔法で距離をとると宙に巨大な魔法陣を出現させる。


キィーーン……


「術式、実行……滅べ人間ッ‼︎」


憎悪のこもった叫びに導かれ、魔法陣から無数の尖った氷塊が辺り一面に降り注ぐ。


ガガガッガガッッガッ……


「これで最後だ。自分はカーマインに加勢する。隙を見て逃げてくれ。庇いきれん」


3人分の魔防壁をセスとネリアに残したまま、シアンは囮も兼ねてカーマインたちの方へ向かった。

本来なら離れて様子を見ながら援護したかったが、2人を連れたままだと敵の注意が自分に向いたとき、2人も敵から狙われて逃げられなくなると判断したのだ。


「下手でも数撃ちゃ当たるっつーけど、当たんなきゃ意味ねーよなぁww」


あえて魔防壁を張らずにシャベルで全て打ち返しながら、カーマインは不敵に高笑いした。

すると敵は氷塊を降らせる魔法陣を閉じ、新たな魔法陣を展開させる。


「だったら、的には止まってもらう……術式、実行!」


キィーーン……


突然、辺りの空気がずしりと重くなり、風の流れもゆっくりになった。

魔法陣から大量の光の花弁が際限なく溢れ出し、見る見る辺りに充満していく。

天地も見失うほど視界を塞がれ、花弁に溺れて窒息しそうだ。


しかも、この花弁には体内魔脈の流れを鈍らせる効果があり、触れた箇所から痺れが拡がっていく。

すぐにそのことに気付いた軍服コンビは花弁を振り払い、敵の魔法陣へ魔攻弾を撃ち込んだ。

しかし、花弁の魔法陣が割れると同時に、敵は新たな魔法陣を複数展開する。

それらの魔法陣から、今度は岩石が出現し、ジリジリと不吉な音をさせながら巨大化していく……


「!」


そのとき、シアンは花弁の海の中で何かが迫ってくるのに気付いた。

咄嗟に切り払うと、それは淡く発光した巨大な魔吸蔓であった。

決して1本だけではない。いつの間にか、花弁の海には無数の巨大蔓が蠢いていた!


「うっぜぇ‼︎ おい、シアン! 一気に焼き払うぞ‼︎ あとで消火すりゃそれでいーんだろ⁉︎」


「ああ、そうだ……いや! 待て‼︎ あそこに見えるのは……」


向かってくる蔓を切り払いながら、シアンは森の入り口に人影を認めた。

セスとネリアだ!

2人は森へ逃げ込んだものの、敵の魔法陣へと向かう夥しい巨大蔓の波に呑まれ、ここまで押し戻されてきてしまったのだ!


「チッ……足手纏いな管理士どもかよ! アイツらごと燃やしちまおーぜ⁉︎」


「そうもいかん!」


焦るシアン。しかし、敵は待ってはくれない。


「今度こそお終いだよ……術式実行! 滅べ人間‼︎‼︎」


キュイイーーーーーーン‼︎‼︎


先のゴーレムほどに大きくなった複数の巨大岩石が、一斉に魔法陣から放たれた!

その殆どがシアンとカーマインを狙って飛んできたが、1つだけはセスとネリアへ狙いを定めてあった。


攻撃不参加の若い2人の管理士も、敵からしっかりと抹殺対象にされていたのだ。

今更助けに向かおうにも、シアンは次々と自分に向かってくる巨石を粉砕し続けるので手一杯だ。


「くっ……ネリア、お前だけでも……‼︎」


「セスっ⁉︎……きゃあッ‼︎」


セスはなんとかネリアを囚えていた蔓を切ると、ネリアを蹴飛ばして巨石の進路から外した。

しかし、自身に絡み付いた蔓からの脱出は間に合わない!


「っうああああああああ‼︎‼︎」


ゴッシャアアアアアア……‼︎‼︎


「セス‼︎‼︎……嘘……そんな‼︎ 嫌ああああああ‼︎‼︎」


ネリアの目の前で、セスは巨石の下敷きとなった。



魔脈管理士と軍人じゃ戦闘能力比較にならないレベルで違います。

あまり主人公ぽくなくてすみません(´・ω・`)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ