8ー4.男湯にて、
「よっ、久しぶり。お前とこんなとこで会うとは意外だな」
「ぅげっ……」
ザパァ……
先に湯船に浸かっていたレミは、セスに気付くと速やかに湯から上がろうとした。
美少女のような顔には、残念ながら男の……というよりは、まだ少年のような体が付いている。
「最後にギリギリ残っていた可能性が否定された瞬間だな……」
「は? 何それ? どーゆー意味⁇」
セスの呟きに足を止めたレミは、睨みつけながら答えを待った。
だが、セスはそれに答える代わりにわざとらしい声で言う。
「そっかー、レミはもう上がるのかー。ピアさんたちはさっき来たとこだけどなー」
「‼︎」
ザプン!
その言葉を聞くなり、レミはセスと女湯の壁との間に陣取った。
セスはニヤニヤしながらその隣に移動し、女湯との距離を詰める。
「なんだ、レミはそんな見た目しててもやっぱり男なんだな」
「どーゆー意味だよ? ていうか、男は男でもお前みたいな獣と一緒にするな。僕はただ、お前が妙なことしないか見張るために戻ってきたんだからな」
「ああ、そうですかー」
互いに相手を牽制しつつ、じわじわと壁際へ寄っていくセスとレミ。
そんな2人のところへ、長い金髪を高く結い上げながらローレンがやって来る。
「セスさん、誰と……えっ⁉︎……ああ、なんだ、レミさんか。一瞬女性がいるのかと思って焦ったよ」
「ローレンさん……これで3度目……」
「すまない! 湯煙の中だと紛らわしくて……」
「そう言うローレンも髪型紛らわしいけどな……てか、2人ともよく会うんだな? やっぱ小さい村に住んでるとそういうものか」
「常連だからね。まあ、オレたち兄妹が住んでるのは村の中ではないけど」
「へぇ? じゃあ今日は宿に泊まってるのか?」
「そうだよ。……オレたち兄妹は町の研究会を抜けた後、この村の南の森に越してきたんだ。オレは村の中に住みたかったんだが、ティアが嫌がったから仕方なくね。とはいえ、買い出しや調べごとで村へはしょっちゅう来ているから、村長さんにはもう村人として認識されてるよ。オレは村に泊まることも多くて、温泉だけでなく宿の方も常連なんだ」
「へぇ……」
……パシャパシャ!
そのとき、壁の向こうすぐ近くから聞こえた水音に、セスはドキリとして押し黙った。
隣のレミも、緊張した様子でセスを睨みつけながら黙っている。ローレンだけが平常心だ。
『うわぁ〜〜っ! モモの、すっごいおっきいの〜〜‼︎ ステラ、びっくりなの!』
どうやら一緒に来たステラ、ネリア、ピア、リーナと、さっきいたティアの他に、モモもいるらしい。
セスはゴクリと息を呑んだ。
……パシャパシャ!
『いちばんおっきいはモモだけど、ネリアもすっごくおっきいの! ピアとリーナはおんなじくらいで、ティアはステラといっしょでぺったんこなの!』
『なっ⁉︎』
『まあまあティアさん、落ち着いてぇ〜。ステラちゃんに悪気はないんですからぁ〜』
『でもステラちゃん、温泉はもっと静かに入りましょうね? それに、体の特徴を言われるのを嫌がる人もいますから、これからは気をつけましょう?』
『はぁいなの〜…………ふむふむ……モモのもネリアのも、おゆにういてるの〜。おっきいの、うく。ステラ、はっけんなの♪』
パシャパシャ……
忌憚なき実況解説感謝するぞステラーーッッ‼︎ 帰ったらご褒美にハチミツたっぷり舐めさせてやるからなぁぁ〜〜!
セスは心の中でステラに叫んだ。
レミはそれが聞こえたかのように鬼の形相で睨みつけるが、セスは既に目を閉じて全身を耳にしている。
瞼に描くは煙る水面に4峰の山という絶景だ。モモ山……ネリア山……
……パシャパシャ!
『むぅ〜〜⁇ みんな、おおきさはいろいろだけど、ステラにはないピンクのちっちゃいのがついてるの〜……ねっ、これなあに?』
『んあっ♡』
バシャバシャン‼︎
『こらっ、ステラ! ダメよ、他の人のそんなとこつまんだりしたら! ほら、謝っときなさい』
『はぁい……ごめんなさいなの〜』
パシャパシャリ……
突然聞こえた喘ぎ声……その主について、レミはピアではないことだけ確信して安堵し、セスは反芻しながら答えを求め続けている。
正解のわかったローレンだけが、人知れず凍りついている。
爆乳=ニナ
巨乳=モモ、マリッサ(魔女)、ネリア
美乳=ピア、リーナ、アリス、カオルコ
微乳=サクラ、サーシャ
虚無=ティア、ステラ(ロリのすがた)




